2018年度試験ではTAC出版の法令集を使っていました。
今年も同じ物をと考えていましたが、
Amazonで評価レビューを見たところ誤植がやたら多いとのこと。
誤植をいちいち直すのも面倒なのと、もう少し小さい方が持ち運びやすく、
机を占領されないので良いだろうと考えて、
建築資料研究社の法令集(以下オレンジ本)を選択しました。
インデックスもすでに貼り終えているので、
法規のウラ指導を読み、問題を解きつつ、法令集への線引きを開始しました。
しかし、なんだろうこの気持ち悪さ。
線引きを進めれば進めるほど、増していく違和感。
この原因は、TAC出版の法令集にはあって、
オレンジ本にはないものがあることでした。
オレンジ本とTAC出版の法令集との違い
記載されている関連メモが充実している
オレンジ本とTAC出版の法令集とで、
例として建築基準法施行令第2条6項1号イを見比べてみます。
(以下の写真、オレンジ本は2019年度版、TAC出版の法令集は2018年度版)
オレンジ本
TAC出版
違いがわかるでしょうか。
条文自体はもちろん同じです。しかし、違いはそのあと。
「法第56条第1項第1号の規定並びに第130条の12及び
第135条の19の規定により…」
とありますが、56条の第1項第1号ってどんな条文だっけ?
となったとき、オレンジ本だと56条の条文を確認するために
ページをめくる必要があるのですが、TAC出版のものであれば、
ページをめくらなくても関連事項として条文の下に書いてあるのです。
(黄色の蛍光ペンでラインを引いた部分)
さらに、例として建築基準法施行令第129条の2第1項を比べてみます。
オレンジ本
TAC出版
違いがわかるでしょうか。
これも先ほどの例と同じく条文は全く同じですが、そのあとが違うんです。
要約すると「全館避難安全検証法により確かめられたものについて、
第112条第5項、第9項、第12項~の規定は適用しませんよ」と言う内容です。
ここを読んで、例えば、第112条ってどんな条文だったっけ?
となったとき、TAC出版のものであればそこに書いてあるのです。
さらに、TAC出版の法令集で 建築基準法施行令第112条第5項を見てみます。
「全館避難 除外」と書いてあると思うのですが、
この条文は全館避難安全検証法により確かめられたは
適用除外になることが書いてあるのです。
このような条文に関連するメモの量がTAC出版の法令集は
オレンジ本に比べて圧倒的に多かったんです。
無いと違和感を感じるとくらいなので
昨年の試験でそれだけこのメモに頼っていたのかを実感しました。
TAC出版の法令集にて再び仕切り直し
そんなわけで、すでにオレンジ本で学習を進めていたわけですが、
違和感を抱えたまま試験に臨むのもイヤだったので、
TAC出版の法令集に変更することにしました。
TAC出版のwebサイトで確認したところ、会員登録が必要にはなりますが、
誤植部分を訂正した法令集を送ってくれるとのことでしたので
切り替えを決めました。
細かいことですが、こういうメモは法令集を早く見るのにもつながるし、
学習中もこういう関連メモがチラチラでも目に入ると、
それだけでも記憶に残りやすくなるのではないかと思うのです。
仮に自分であとから記入した場合、試験会場での法令集チェックの際に、
試験監督官にダメな書き込みと判断されて消すように指示を受ける可能性も
十分に考えられます。
最初から印刷してあれば消すように指示を受ける心配もないので
気分的にも楽だし、手間もかからないので作業的にも楽です。
(どうせなら、線引きも終わった状態にて売り出せばいいのに…。)
にしても、法令集は大きさや文章の段組が違うくらいで
どこの出版社のものを使っても同じだろうと思っていましたが、
比べてみると違うところがあるんだなと正直驚きました。
今回は手元にあったオレンジ本とTAC出版の法令集で比べただけで、
他の出版社から出ている法令集は見ていませんが、
もしかしたら他の出版社からもっと見やすい法令集が
出ているのかもしれません。
(追記)
気になったので、
書店に行って法令集を何冊かチェックしてきました。
その中でTAC出版の法令集と同じように
関連メモの記載が充実していたのが
総合資格学院から出ている法令集でした。
まとめ
建築士受験に使うという目的であれば、
TAC出版や総合資格学院の法令集が使いやすいのではないでしょうか。
オレンジ本など法令集はどちらかというと試験に使うよりは、
実務向きなんじゃないかという印象を受けました。
(追記)
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