自分自身、今2回目の製図試験へのチャレンジに向けて日々勉強しているのですがやればやるほどこんな感情が浮かんできます。
kagetoraう、受かる気がしない・・・
学科試験も大変な思いをしてやってきたわけですが、製図はそれ以上に大変というのが個人的な今の印象です。
チャレンジしたばかりの頃は図面を時間内に描ききることができませんでした。
トレースに6時間以上かかるってどういうこと??試験時間終わっちゃってるじゃん。
3時間以内に図面描きあげろって言うけど、そんな神業みたいなことできるの?
こんな状態のまま初めての試験を迎え、奇跡的に図面を仕上げることはできたもののランクⅢにて失格。
今も初年度に比べれば作図のスピードは上がってはきたもののエスキスのスピードが遅いこともあり試験時間内での答案作成が難しい状態が続いております。
こんな状況を打開しようと、合格者が試験合格まで何をしてきたのか、どのように過ごしてきたのか、何かテクニックのようなものがあるか、その他諸々調べて自分に取り入れてみることにしました。
この記事はその内容をまとめたものになります。
最初にお断りしておきますが、この記事は私はこうやって一級建築士製図試験に合格しましたという合格体験記ではありません。
私自身も現在進行形で製図試験を勉強している受験生です。
だからこそ、同じように受かる気がしないと思っている人と同じ目線で、その不安をどう考え、残りの期間に何をすればいいのか整理してみます。
- 受かる気がしないと感じる原因を作図・エスキス・条件読み落としなどに分けて考える方法
- 製図試験で合格に近づくために確認したい5つのポイント
- 作図スピードやエスキス力を上げるための具体的な練習方法
- 不安なときでも勉強を続けるための考え方と試験直前まで意識したいこと
製図試験に受かる気がしないのは不思議ではない


まず最初に言いたいのは、製図試験を勉強していて「受かる気がしない」と感じること自体は、それほど不思議ではないということです。
学科試験なら過去問を解けば点数が出ます。
ところが製図試験は違います。
今日は結構うまくできたぞと思った図面を添削してもらったら法規違反で一発アウト。
逆に、これはダメだ……と思っていたら意外と評価が悪くない。
この製図試験に要求されているのは、図面をきれいに描く能力だけではありません。
- 課題文を正確に読む
- 設計条件を整理する
- ゾーニングする
- 動線をまとめる
- 構造を成立させる
- 設備を考える
- 法規を守る
- 時間内に作図する
- 計画の要点等を書く
これらをまとめて処理する必要があります。
一つできるようになったと思ったら今度は別の問題が出てくる。
ゲームでようやくボスを倒したと思ったら、その後ろから普通に第二形態が出てくるような試験です。
受かる気がしなくなるのも無理はありません。
「受かる気がしない」と「受からない」は別の話
自分自身にも言い聞かせてながら勉強を続けているのですが、「受かる気がしない」という感情と「実際に受からない」という結果は別物です。
自信があるから合格するわけではありません。
不安だから不合格になるわけでもありません。
試験当日に必要な条件を満たした答案を完成させれば合格する可能性があります。
反対に、自信満々でも重大な条件を落としてしまえば厳しくなります。
つまり、今考えるべきなのは自分には才能がないということではなく、今の自分には何ができていないことを潰すことです。
不安という巨大な塊のまま考えると、何をしていいのか分からなくなります。
だから僕は受かる気がしないをもっと小さく分解して考えることにしました。
受かる気がしないの原因を分解してみる


同じ受かる気がしないでもその原因は人によって違います。
ここでは僕の場合について挙げてみました。
作図が遅くて終わる気がしない
勉強し始めたときはこんな図面を試験時間内に描ける人なんているの?と思うくらい時間がかかります。
多くの人が答案例のトレースからスタートすると思うのですが、多くの人が6~8時間程度かかると言われています。
自分の場合も8時間くらいかかったと思います。
そこから何枚も描いていくうちに少しずつ慣れてきてスピードも上がってきてきて今では3時間くらいで何とかなるようになってきました。
これでもまだ遅い方なのですが、ここからわかることは作図時間は練習によって短縮できるということです。
でも、ただ何枚も完成図を描くことだけではあまり意味がなくて、自分がどこで時間を使っているのかを細かく知る必要があります。
例えば、柱を描くのが遅い。寸法を書くのが遅い。什器に時間を使いすぎる。1/400図面を何度も確認してそのたびに手が止まる。
人によって原因は違います。
全部を作図が遅いということでまとめてしまうと改善方法が分かりません。
まず、作図工程をリストアップして、その工程ごとに時間を計って描いてみてください。
作図の各工程に時間を計ってみると自分がどこで時間を失っているのかが見えてきます。



僕の場合は最初の面積表から柱を描くところと各階の壁部分、あと什器レイアウトを描くのに時間がかかっています。フリーハンドも使って何とか時間短縮ができないか練習しているところです。
エスキスがまとまる気がしない
作図以上に怖いのがエスキス。
作図はある程度手順を決めて練習できますが、エスキスは課題によって条件が変わります。
要求室が違う。敷地条件が違う。動線が違う。階構成が違う。
だから、課題の復習を完璧にやり終えたとしても、次の問題も同じようにできるのか不安が残るのです。
私も勉強していてここが製図試験の難しいところだと感じています。
でも、エスキスも完全なひらめき勝負ではありません。
エスキスにも作図と同じような手順が存在します。
いろいろな手順が各資格学校やYouTube動画等で言われていると思うのですが、自分のやりやすい方法であればどれを選んでも良いと思います。
方法よりも大事なのは、毎回違う方法でエスキスしないことです。
自分なりの手順を決めて問題が変わっても同じ順番で考える。
これだけでも迷う時間を減らせると思っています。



1度やった課題でエスキスの手順を見直すというのが一番の復習になると自分は思っています。
条件を読み落としそうで怖い
一級建築士の製図試験は美しい建築を提案するコンペではありません。
試験問題として与えられた条件に対して成立した答案を時間内にまとめる試験です。
2026年の試験についても、試験実施機関は、関係法令や要求図書、主要な要求室などの設計与条件に対して不適合または不十分な場合、「重大な不適合」等と判断されることを明記しています。
だから僕は「良いプランを作る」より「落ちる原因を作らない」ことを意識して勉強しています。
要求室を書き出す。
面積条件をチェックする。
配置条件を確認する。
動線条件を確認する。
延焼ライン、防火設備等法規違反のチェックをする。
地味ですがこういう作業が大事だと思っています。
良いプランができたところで、条件違反をしていたらこの試験は合格できないからです。



実際やってみてわかったのですが、図面のチェックも練習しないとできるようにならないんですよね・・・。
一級建築士の製図試験に受かる人になるために意識している5つのこと


そんなわけで最近は、合格するしないよりも一発アウトにならない答案を作ることだけを意識して勉強するようにしています。
そこで、自分が特に意識していることを5つ挙げてみました。
1.課題条件を正確に満たすことができているか
読み落としがあればその後のエスキスも作図も全部ずれてしまいます。
その対策として、1/400エスキスが終わったあとに課題条件を満たせているかを確認します。
作図に入ってから条件違反が見つかると取り返しがつかないことになりかねませんが、
この段階であればまだ挽回できる可能性があるからです。
2.エスキスを手順に従って進める
問題によってプランは変わります。
でも、考える順番まで毎回変える必要はありません。
迷うたびに新しい方法を探しているといつまで経っても自分の型ができません。
資格学校や指導者から教わった方法があるならまずはそれを繰り返す。
僕の場合は、最初は資格学校で教わったとおりに進めていましたが、今は少しだけ順番を入れ変えたものを自分のスタイルとして決めて、その手順通りに進めることを意識しています。
受験経験者の方はすでに自分のやり方があると思うのでいいですが、初学者の方は最初は教えてもらった手順をそのままコピーして進めた方でいいですよ。
3.作図から逃げない
作図って時間がかかるし面倒からあんまりやりたくないのが正直なところ。
この試験を受験する方のほとんどは仕事をしながら勉強しているはずです。
仕事が終わって疲れた夜、せっかく取れた休日に図面を描くというのはかなりのハードワークですよね。
でも、作図はテクニックや方法論を頭の中で考えていても残念ながら描くスピードが上がりません。
スピードを上げるには描くしかないのです。
僕は疲れた身体にむち打って図面を描けた人が合格をつかみ取れる人だと思って毎日少しでも図面を描く努力をしています。



正直、疲れて寝ちゃう日もありますが・・・。
でも、図面一式を描くのは大変なので、断面図だけ描くとか、先ほどお話しした時間がかかる手順のところだけを練習してみるとか、とにかく毎日少しでいいので描く意識をしています。
4.同じミスを繰り返さないように意識する
製図試験の勉強では復習がかなり重要だと僕は思っています。
図面を完成させるとどんどん次の課題へ行きたくなる気持ちもあるのですが、次の課題に行く前に添削時にチェックされた部分をもう一度復習するようにしています。
そのために、添削で指摘を受けた場所を「ミスリスト」という形で箇条書きにしたものを作って課題をやる前にそれをチェックしてからやるようしています。
1度やらかしたことはもう二度とやらないだろうと思うかもしれません。
これがそううまいこと行かずに、同じことを2度も3度もやらかすんですよ。
課題を制限時間を設けてやっているといろいろなことがどんどん見えなくなってきたしまうのです。(僕の場合)
その結果、延焼ラインの位置を間違えていたり、○特を書き漏らしていたり、寸法を書き漏らしたり、そんな些細なミスを繰り返しております。
練習なのでミスは仕方ないと思って進めていますが、本番の試験ではミスが起きないようにしたいところです。
5.試験時間内で答案を作成させることを意識する
皆さん仕事をしながら勉強していると思うので、普段の勉強はエスキスだけとか記述だけとか、断面図だけ描くとか部分練習になることが多いかなと思います。
でも、6時間30分という試験時間を意識した練習も必要です。
細切れだけど、エスキスは2時間30分でできた、作図は2時間30分でできた、記述は1時間でできた。
だから、試験時間内で何とかなりそうだ。
と考えるのはちょっと危険だと思います。
全ての工程を一続きでやったときにどうなるかは別問題だからです。
手戻りがイヤなので間違っちゃいけないといろいろなところに気を払っているせいか、6時間30分を通してやってみるとだんだん疲れてしまって集中力が欠けることがよくあるんですよね。
そういう意味では資格学校を使うというのはアリだと思うのです。
指導内容はともかくとして、6時間30分の通し稽古をする機会を定期的に作るというのは大事なことだと思います。
一級建築士の製図試験に受かる人になるためにやらない方が良いこと
独学にこだわる


先ほど少しだけ資格学校について触れました。
私は学科試験については独学でも十分に戦えると思っています。
良い教材も出ているので、過去問を解き、分からないところを調べ、自分で理解度を確認しやすいからです。
ただ、製図試験は少し事情が違います。
自分では結構うまくできたと思っていても、気がついていない地雷を踏んでいる可能性があるからです。
つまり、自分の答案を自分だけで評価するのが難しいということ。
だから、初受験であれば、資格学校、通信講座、添削サービスなど方法は何でもいいので、自分以外の人に答案を見てもらえる環境を持った方がいいと思います。
「独学では絶対受からない」とまでは言いません。
ただ、最初から最後まで完全に一人で判断する難易度はかなり高い試験だと感じています。
キレイな図面を描くことにこだわる


製図試験を勉強していると合格者の図面を見ることがあります。
僕より遙かに短い時間でキレイな図面を描いている人がいっぱいいます。
それを見ると、自分とはレベルが違いすぎると感じて結構ヘコむのです。
でも、今の自分がいきなりそのレベルを目指しても仕方ありません。
今通っている資格学校の先生に聞いてみると、キレイな図面でなくても合格している人はいっぱいいるとのことでした。
キレイな図面を描くよりも、要求されている事項を汚くてもいいので時間内で描き上げることの方が大事だと。
それを聞いてから、僕は図面のキレイさは一旦無視して安定して時間内に答案を作成することに意識を向けるようにしています。
図面の見た目を気にするのは時間内に答案を作成できるようになってからにすることに決めました。
模試の結果を気にする
模試の結果って気になりますよね。
僕もこれまで何度か模試を受けていますが法規のやらかしですべて一発アウトです。
悪い結果が出ると、やっぱり自分はダメなんだと思ってしまう。



失格が続くとメンタルへのダメージが大きいのです・・・。
それで開き直ったというのもあるかもしれませんが、模擬試験というのはその時点での自分の実力をチェックするものじゃないですか。
模試の成績が悪かったからと言って本試験に合格できないと決まったわけではありません。
大事なことは、模試の結果を見て、何ができなくて合格答案を作れなかったのかをあぶり出して、それに対しての対策を打つことです。
未完で終わってしまったのなら、エスキスのスピードを速める練習、作図スピードを上げる練習をする。
法規でアウトしているとすれば、チェック不足が原因だと思うのでチェックする方法をもう一度確認する。
このように、できなかったところをあぶり出すための道具として模試を使いましょう。
新しいテクニックを探し続ける
受かる気がしなくなると、ついこんなキーワードで検索してたりしませんか?
「一級建築士 製図 コツ」
「エスキス 最速」
「作図 スピードアップ」
「一級建築士 合格者 勉強法」
僕も調べてしまうことがあります。
そこで新しい方法が見つかると、これやったらうまくできるようになるんじゃないかと思ってやってみるけど、結局うまくいかないという経験をしたことがある人も少なくないはずです。
僕も同じことを何度も経験しています。
目新しいことに飛びついても結局はうまくいかないんですよね。
なので、新しい方法に飛びつくのではなく、今やっている方法の成熟度を上げることに意識を持っていった方がいいと個人的には考えています。
新しい方法を取り入れるたびに手順が変わってしまうと永遠に自分の型が完成しません。
試験まで時間があるならまだいいと思いますが、特に試験が近づいてきたら新しいテクニックを増やすより今使っている方法を修練して同じ手順で何度も解く、そして、失敗を減らす。
この方が大事だと考えています。
最後に一級建築士の製図試験に受かる気がしない今の自分へ


最後は読者というより今の自分自身に向けて書いてます。
正直なところ、一級建築士の製図試験に受かる気がするかと聞かれたら、たぶん試験直前になっても、「もう完璧。何が出ても大丈夫」なんて状態にはならない気がしています。
きっと、受かる気がしないまま試験当日を迎えるのではないかと。
昨日より作図が少し速くなった。
前回落とした条件を今回は拾えた。
エスキスで迷う時間が減った。
記述で書けることが一つ増えた。
そういう小さな改善を積み重ねていけばいい。
一級建築士の製図試験で必要なのは、絶対に受かるという根拠のない自信ではなく、本番でいつもの手順を最後まで再現できる状態なのではないかと思っています。
私もまだ勉強中です。
受かる気がしないと思いながらそれでも図面を描いています。
試験当日に奇跡の一枚を描き上げるために。






