一級建築士の製図道具を調べていると、いろいろな人がおすすめを紹介していて結局どこまで揃えればいいのか迷いますよね。
自分もそのような情報を参考にしながら道具を選びながら実際に使ってきました。
使ってみて思ったのは、道具の評判だけでなく自分がどの作業に使うのかまで考えた方が選びやすいということ。
評判の良いテンプレート付きのバンコも自分が使うのは通り線を引くときだけだったりします。
この記事では2025年の製図試験で使った道具、そして、あえて使わなかった道具を紹介します。
そのうえで、2026年に追加・変更した道具と使い続けている理由を追記しました。
道具の使い勝手は個人差が大きいところです。
良かった点だけでなく、使いにくいところ、結局使わなかった理由も書いているので、自分の描き方と比べながら読んでもらえると嬉しいです。
※本記事は個人の経験に基づくものです。
一級建築士試験の受験に関する最新・正確な情報については、必ず公式サイトをご確認ください。
→ 公益財団法人 建築技術教育普及センター 公式サイト(外部リンク)
- 実際に使った製図道具とそれぞれの使い道
- 2026年に追加・変更した道具とその理由
- 使わなかった道具と自分には合わなかった点
- 購入前の比較と本番前に確認しておきたいこと
私が一級建築士の製図試験で使った道具

まずは使った道具から。
2025年の道具選びをもとに、変更したものには2026年の使い方を添えています。
特にシャーペンは軽さを重視していたころと今とで選ぶ理由が変わりました。
製図板:MUTOH Liner Board UM-06N8

製図板には大きく分けて「ワイヤー式」と「ベルト式」の2つの機構をもつものに分類されるそうです。
価格や重さ、使い勝手などにそれぞれメリット・デメリットがあるようですが、概ねベルト式の方が使っていて安定感があるという評価が多い印象を受けました。
それらの情報を信用して自分もこの製図板を使うことにしたのですが、これまで使ってきて何かストレスを感じるようなことは一度もありませんでした。
平行定規はかなりスムーズに動きますし、一度方眼用紙の線に合わせて平行定規を固定してしまえば、そこからズレることもほぼありません。
平行定規の両側についているモールを緩めると平行定規が微調整できるので、用紙をテープで固定したあとにも平行定規の微調整が可能です。
製図板の選択についてはそれぞれ個々人で決め手になるポイントがあると思うのですが、自分の場合は、重さや価格よりもストレスなく安定して描けるかを最優先としました。
この製図板はどちらかというと高価で重い部類になると思います。
でも、数千円の違いでストレス無いものを選べるのであればそちらを選んだ方が長い目で見るといいと思うし、重さは持ち運ぶ時だけ辛抱すればいいだけと思っています。
結果的にこの製図板を選択して良かったです。
シャーペン:ステッドラー 925-15 0.5mm


2025年にメインで使っていたのはステッドラー925 15の0.5mmでした。
三角定規やスケールとの相性も検討しましたが一番の決め手になったのは軽さです。
メーカー公式の仕様では従来の925 15は9.2g。
自分が試したシャーペンには10〜20gのものが多く、3時間近く作図をしているとわずか数グラムの差がボディブローのように手の疲れとして表れてくる感じがしたのです。
特に先端に重さを強く感じるペンは、時間が経つにつれてどんどん重くなっていくような感覚がありました。
あくまで自分の感覚ですが当時は軽さを優先したかったんですよね。
ですが、2026年は925 15メタルの0.5mm(品番:92515-05MB)に変更しました。
こちらはこれまでのステッドラー925と同じで軸は樹脂製なのですが、先端部分が金属製となっています。
925 15メタルの公式情報では、本体重量は16gで従来の925 15より低重心に設計されています。
なので、先端がやや重めで書き続けていると手は疲れを感じてきます。
でも、その重さのせいか弱い筆圧でもしっかりした線を引けるように感じられたんです。
元々筆圧が強い方ではないのでこのシャーペンに変えてから図面の濃淡がくっきりしたように思います。
重いデメリットより図面の濃淡が強くメリットを優先して使っているという感じです。
軽い方と重い方のどちらが正解かは短い試し描きだけでは決めにくいところ。
比べるなら、いつも使っている定規やテンプレートと組み合わせて図面を通しで描いてみるのが一番です。
最初の数本の線が引きやすいかに加えて、後半にも同じように描けるかを見ておくと自分に合う方を選びやすいと思います。
また、シャーペンとバンコの相性はこちらの記事で詳しく書いています。
先端のガイドパイプが定規にどう当たるかも持ちやすさや描き心地と一緒に確認してみてください。

ちなみにですが、シャープペンの芯は2025年はBを使いました。
でも、2026年は2Bに変更しています。
図面の濃淡が強く出たのはこの影響もあるかもしれません。
シャーペン:クルトガアドバンス 0.5mm

2025年に引き続き、2026年も記述を描くときはクルトガアドバンスの0.5mmを使いました。
作図用のシャーペンと分けていたのは、線を引くときと文字を書くときで好みの書き心地が違ったからです。
文字を書き続けているとだんだん線が太くなってくるのが気になっていました。
このペンは筆記に伴って芯が回る仕組みがあり、自分でくるくる持ち替える手間を減らせるところが選んだ理由です。
当時は作図には軽いペンが良いと感じていましたが、文字を書くときには少し重みがある方が書きやすいという好みもありました。
同じ0.5mmでも使う場面によって感じ方は違うんですよね。
試験では机の上に置ける道具を厳選した方が良いとアドバイスされていましたし、1本にまとめたほうが良いとは思います。
でも、自分はあえて分けています。
先ほど、作図で使用しているシャーペンの芯を替えた話をしましたが、記述で使うシャーペンの芯も2025年に使っていたHBの芯から2026年はBに変更しました。
柔らかい芯にした方が筆圧が弱くても見やすいと思ったのが変更理由ですが、変えたからと言って何かが変わったという実感はありません。
三角定規:バンコ 三角定規45°テンプレートプラスとタカラの二刀流


この三角定規はもはや説明不要でしょう。
みんな大好きバンコの「三角定規45°テンプレートプラス」は自分も使っていますが、僕の場合は縦の通り芯を引くときにしか使っていません。
テンプレートは下で紹介している別のものを使っているので、バンコが絶対必要というわけでもないのですが、普通の三角定規を持っていなくて…。
シャーペンとの相性を散々検討したわりにバンコを使う場面はかなり減ってしまいました。
2026年からはタカラライセンスの「製図マルチ定規 つまみ付 小 2mm厚」を追加しました。
こちらもバンコと同じような定規なのですが、小サイズは16cm×16cm、厚さ2mm。
1/100・1/200・1/400の縮尺目盛りが付いています(参照:タカラライセンス公式Webサイト)
これは1/400のエスキスを描くときに使っています。
なぜこれを使うのかと問われたならば、目盛りが見やすいからと答えます。
黒じゃなくて赤で目盛りを表記してくれてあるのが自分の目にはとても見やすいのです。
1/400のところはメーター単位のところだけ目盛りが入っているところも秀逸。
エスキスで建物の外枠を作るときはメーター単位で考えるので細かな目盛りは使わないし、これが入っていると見にくくなって間違えやすいんですよね。
そんなわけで、今はこのような使い分けをしています。
テンプレート:ドラパス テンプレート E122は作図の主力アイテム

バンコのテンプレートを使わず柱や壁の作図で頼りにしていたのがドラパスのE122です。
テンプレートとして使うだけでなく、小さな定規としても利用して外壁・内壁の仕上げ線も引いていました。
柱を描くときは、平行定規にテンプレートを当てて横へ動かすやり方もあります。
自分の場合は平行定規を使わずに通り線にテンプレートを合わせて描く方が早く感じたのでそちらを選びました。
これも個人差があるので平行定規に当てた方が早い人もいるはずです。
位置がズレて描き直すことが増えるなら手順を省いた意味がなくなってしまいますし・・・。
外壁と内壁については平行定規とバンコを使って描いていました。
でも、どうにも作図スピードが上がりません。
そこで、下書きをせずに1/400エスキスを見ながらフリーハンドでいきなり仕上げてみることにしました。
確かに速くなったのですが図面が見るに堪えない仕上がりになってしまったのです。
kagetoraさすがにこれじゃいかんだろ・・・と悩みました。
そんなときに行き着いたのが小回りの利くE122の側面で壁の線を引く方法。
何度か練習するうちにフリーハンドとあまり変わらない時間で描けるようになり、図面の仕上がりも自分では納得できるものになってきました。
ただ、欠点もあります。
直線を引くときにシャーペンのガイドパイプが側面に引っかかるように感じることがあり、その部分が削れたのか、触ると少しボコボコになっていました。
自分の線の引き方も関係しているのかもしれません。
側面で線を引く使い方を試すなら、ペン先の当て方だけでなく定規として使う辺が傷んでいないかも見ておきたいところです。
小回りの良さを求めて10cm定規を使っていたこともありますが結局このテンプレートに戻ってきました。
自分の作図方法ではシャーペンの次になくてはならない道具になっています。
スケール:ウチダ ヘキサスケール 15cm


ウチダのヘキサスケール15cmは断面図の高さを取るときに使ってきました。
このスケールのデメリットというか、多分僕だけが感じているデメリットかもしれませんが、目盛りが見にくいのです。
2025年に初めて本試験を受けたとき、資格学校で使っていたエスキス用紙は緑色の方眼線だったのに、本試験の用紙は黒い方眼線だったんです。
自分は同じような用紙だと思っていたのでここは想定外でした。
ただでさえ目盛りが細かくて見にくいのに、スケールの細かい目盛りと用紙の黒い線が重なって見えて線がごちゃごちゃしてすごく見にくかったのです。
これをきっかけに普通の三角スケールに戻すことも考えました。
でも、三角スケールより取り回しもいいことが理由で今も使い続けています。
ちなみに、2026年に試験で配られたエスキス用紙は青色の方眼紙でした。
エスキス用紙の色は毎年違うのでしょうか・・・。
用紙仮止めテープ:緑のマスキングテープの粘着力がちょうどいい


作図用紙を製図板に固定するときは緑色のマスキングテープを使っています。
文房具として売っている装飾用のものではなく、ホームセンター等で売っている工事現場で使うタイプです。
仕事柄ストックがあったので、手元にあった黄色・青・緑の3種類を試しました。
その中で、粘着力の感じが一番合っていたのが緑でした。
ほかの色のテープでは、剥がすときに紙面まで持っていかれてしまうことが何度かありましたが、自分が使った緑のテープでは起きていません。
かといって弱すぎることもなく、作図中に用紙がズレることもありませんでした。
こういう小さなストレスがないのは助かります。
個人的にはかなり気に入っている道具です。
マーカー:KOKUYO Beetle Tipはソフトカラーに変更




マーカーはコクヨの「ビートルティップ・デュアルカラー」を使っています。
1本で2色を使えるので、机の上の道具を減らしたいと思って選びました。
2026年は同じシリーズのソフトカラータイプへ変更しました。
以前よりもマーカーの色が濃くなりすぎず、問題文が見やすいと感じたからです。
また、ソフトカラーは裏移りがほぼないのもメリット。
通常のデュアルカラーでも裏移りはそれほど気にならないのですが、ソフトカラーはさらに気になりません。
ただ、使い方には少しクセがあります。
しっかり傾けないと意図せず2色同時に線を引いてしまうことがあるのです。
もうかなり使い込んで使い方には慣れてきたので個人的にはかなり便利に使えているのですが、使い方にクセがあるので万人に使いやすい道具ではない気がしています。
こういうマニアックな商品はあまり売れないと思うので販売終了になってしまうのが怖いんですよね。
今これを書いていて気になったので調べてみたところ、なんと「在庫限りで終了予定」との表記が・・・。
(参照:コクヨ公式Webサイトビートルティップ・デュアルカラー商品紹介ページ)
個人的には後継品は出ないと思うので、次の試験のためにも在庫があるうちに手に入れておかねば。
消しゴム:ぺんてるAin くっつくタイプ+TOMBOW mono zero


消しゴムについてはあまりこだわりがなく、家にあったものを使いました。
普通の消しゴムがあれば良いだろうと考えていましたが、作図を進めていると細かい場所を消すということが結構頻繁に出てきて、普通の消しゴムだと必要以上に消えてしまってイラつくことが増えてきたので、ペンタイプの消しゴムも用意した次第です。
ペンタイプの消しゴムは先が丸いものと四角いものと2種類を使っていましたが、自分は丸い方をよく使っていました。
丸いものの方がゴムが柔らかくてあまり力を入れなくても消せるからです。
四角い方はゴムが硬めなのですが、丸いものより消せる範囲が少し広いので、場面によって使い分けはしていました。
丸いのは柔らかすぎて使いにくいと評価している方も多かったのですが、個人的には圧倒的に丸い方が好みなんですよね。
これも個人差があるので実際に使ってみてチェックしてもらった方が良さそうです。
どちらにしても、ペンタイプの消しゴムはあった方が便利ですよ。
一級建築士の製図試験に使う道具でよく紹介されているが自分は使わなかったもの


製図用ブラシ→持ってはいるけど試験には持参せず


持ってはいるけど使わなかった道具の代表格がこれでした。
紙面の消しかすとかを払うブラシです。
自分は使わないので試験会場には持って行きませんでしたが、会場を見渡すと結構持っている人が多かったのにビックリしました。
自分の図面を描くのに必死でまわりを気にする余裕がなかったので、ブラシを実際に使っている人を目にすることはありませんでしたが、あれば便利なのかもしれません。
自分の場合は、消しカスはフッと息で吹き飛ばすか指で払っています。
これで紙面が汚れることはあまりなく事足りているのでブラシは使っていません。
ドラフティングテープ→定規へのひっかかりと用紙の破れが気になった


自分は製図板に作図用紙を仮止めする時にマスキングテープを使っていることは先ほど述べました。
では、なぜドラフティングテープを使わなかったか。
それはテープの厚みと粘着力が原因でした。
ドラフティングテープと緑のマスキングテープを比べてみると、ドラフティングテープの方がテープが少し厚めで粘着力が強いのですよ。
自分の製図板との相性に問題があったのかもしれませんが、その厚みのせいかドラフティングテープが平行定規に引っかかることが頻繁に起こったんです。
引っかかったところから少しずつテープがめくれ始めてテープの接着面が平行定規にくっついてしまうこともありました。
また、描き終わって図面を製図板から外すときにほぼ100%の確率で用紙が破れてしまう。



ドラフティングテープを使っている人が大多数なのでおそらく自分の使い方が悪かっただけだとは思うのですが・・・。
このような経緯があって、マスキングテープに落ち着いたという次第です。
もし、自分と同じくドラフティングテープにイラッとした経験をお持ちの方がいればマスキングテープ(緑)を試してみてください。
勾配定規→勾配は方眼のマス目で対応した


2級建築士の製図試験の場合は勾配屋根を書く機会が多いので必要かもしれませんが、1級建築士試験の場合は勾配屋根の出題がほとんどありません。
もし一級の試験で勾配定規を使うとしても、道路斜線や隣地斜線といった高さを表記する斜線を引くときだけだと思います。
高さの表記する斜線として1:1.25や1:1.5の勾配線を書くわけですが、この程度の斜線であれば勾配定規を使わなくても答案用紙のマス目を使っておおよそ近しい角度の斜線を書くことが可能です。
例えば、1:1.25の斜線であれば、起点となる点から4マス分水平移動し、そこから5マス分垂直移動した点をプロットします。
その点と基点を結べば1:1.25の斜線となります。
ちなみに、1:1.5の場合は、4マス分平行移動したあと、そこから6マス分垂直移動した点をプロットすればOK。
わざわざ定規を使って書くのも時間がかかってしまうので個人的にはこれで良しとしています。
大きな三角定規→武器??
道具を調べていたとき、通り線を2面一緒に引ける大きな三角定規を使うと速くなるという紹介を見かけました。
確かに便利そうで自分もやってみようかと思いました。
ただ、自分の手順だとどのくらい短縮できるのか、大きい定規へ持ち替える手間はどうなのかが気になり、購入を見送りました。
値段もそれなりに良いお値段するし使う場面が限られることを考えるとコスパが悪く感じたのです。
なので実際に買って時間を測ったわけではないので効果がないと結論づけたわけではありません。
試験中に自分の周りの席では使っている人は見かけませんでしたが、それだけで必要・不要は決められないと思うし、実際やってみたら案外便利なのかもしれません。
機会があれば使ってみたいなとは個人的に思います。
計算式が見える電卓→自分は通常の電卓で事足りた
これも使っている人が多いかもしれません。
通常の電卓だと入力した数字が間違っていたときに計算式が確認できないので間違っていることがわからずに進んでしまう可能性がありますが、計算式が見える電卓を使えば、計算式の数字が確認できるので間違いが防止できて便利ですよね。
でも、自分にはこの電卓は合いませんでした。
計算式を入力しているよりパパッと打ち込んで計算してしまった方が楽だし早いんですよね。
ただ、入力が間違っているかもしれないので計算は必ず2回やるようにしています。
結果が同じ数字になったらそれを表記する感じです。
これも個人差があるとは思うので実際に使ってみた方が良さそうです。
どちらが良いとか悪いとかではなくストレスなく使えるもの、かつ、早く結果が出る方を選択すべきだと思います。
一級建築士の製図試験で使う道具についてよくある質問
最後に一級建築士の製図試験で使う道具についてまとめます
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
- 製図板は持ち運ぶ軽さよりも描くときの安定感を優先した
- 作図用シャーペンは、2025年の軽い925 15から2026年には線の引きやすさを感じたメタルモデルへ変更した
- 三角定規はバンコを通り線、タカラのマルチ定規を1/400エスキスに使った
- ヘキサスケールは見にくさがあるものの三角スケールより取り回ししやすい
- マーカーはソフトカラーへ替えて塗ったあとの読みやすさを重視した
- 使わない道具もあったが道具そのものの良し悪しと自分の描き方との相性は別だった
自分が製図道具を選んできた中で、今も基準になっているのは「どこで使うか」と「通して使ったときにどう感じるか」です。
去年気に入っていた道具でも作図練習を続ける中で選び方が変わることがあります。
逆に、少し不満があってもそれ以上に自分に合うところがあって使い続けるものもあります。
僕にとってのヘキサスケールはまさにそれです。
最初から誰かと同じ一式を揃えるより、まずは今の道具で描いてみて困っている場面を一つずつ確かめていく。
自分にはそのやり方が合っていました。
この記事に書いた良かった点も合わなかった点も道具を試すときの参考にしてもらえると嬉しいです。


