建築を学ぶのに文系も理系も関係ない時代がやってきた

当ページのリンクには広告が含まれています。
建築を学ぶのに文系も理系も関係ない時代がやってきた

最近ずっと気になっていたことがあるんです。

工学部の中にある建築学科を「建築学部」に格上げ??している大学が増えていると思いませんか?

何でなんだろうと思っていたときにWebサイトでこんな記事を見つけました。

建築を学ぶのに文系も理系も関係ない時代がやってきた(イントロ)

ガチガチの理系色を払拭してどんどん文系色を取り入れる目的があってやっているらしいのですが、何でこんなことをしているんでしょうか。

今回の記事では今建築学科に起こっている変化についてまとめていきます。

この記事からわかること
  • 建築は理系と文系が融合した学問に再定義されつつあること
  • 建築学部は文系科目だけでも受験が可能
  • 理系科目の知識がなくても建築の勉強について行けるのか
  • 文系出身でも建築を学ぶことができる大学
目次

建築学部となり理系と文系を融合した新たなスタイル確立を目指す

建築学部となり理系と文系を融合した新たなスタイル確立を目指す

なぜ建築学科から建築学部になったのか

昔、大学で建築を学ぶといえば、「建築学科」という場所でした。

この学科は、主に工学部の中にあり、建築の勉強は数学や物理といった科学的なことが中心でした。

でも、時間が経つにつれて、建築がただ建物を作るだけの科学じゃないことが分かってきました。

建築物は、その地域の歴史や文化に大きな影響を与えるものだったんです。

例えば、古い町の中心にある教会や神社は、その町の歴史や文化を映し出していますよね。

また、新しい建物ができると、その周りの地域にも新しい雰囲気が生まれたり、人々の生活が変わったりします。

このように、建築は人々の生活や文化に深く関わっているんです。

そこで、大学の建築の勉強も変わり、建築学科は「建築学部」というもっと大きなグループになりました。

建築学部では、建物を設計する技術だけでなく、その建物がどんな歴史や文化と関係しているか、どうやって人々の生活に役立つかも学ぶようになったんです。

これで、学生たちは建築についてもっと幅広く、深く学べるようになりました。

建築学部になってどう変わったのか

建築学部になってから、建築を学ぶ内容がぐっと広がって、もっと面白くなりました。

もちろん、建物を建てるための計算や、どんな形にするかのデザインの勉強は変わらず大切です。

でも、それだけじゃないんです。

今では、その建物が建つ場所の歴史を知ったり、その町の人たちがどんな暮らしをしているかも勉強します。

これは、建物がただの物じゃなく、その場所の大切な一部であることを学ぶためです。

たとえば、昔からある歴史的な建物は、その町の昔の話を教えてくれます。

また、新しい建物ができることで、町に新しい風が吹くこともあるんですよ。

これらのことを学ぶことで、建築学部の学生たちは、ただ建物を作るだけじゃなく、その建物がどんな価値を持つのか、どうやって人々の生活や文化に貢献できるのかを考えられるようになります。

理系の科目と文系の科目、両方を学ぶことで、建築の世界はもっと豊かで、心に響くものに変わっていきます。

建築学部では、ただの建物を超えて、人々の心に残るような特別な建物をつくるための勉強ができるんです。

建築学部だが文系科目だけで受験が可能

このように理系と文系の立場を融合させた「建築学部」ですが、建築学科時代と比べると受験制度自体も大きく変わりました。

これまでは「英語・数学・理科」でしか受験することができなかったわけですが、建築学部では国語や社会を受験科目として選択できる学部が増えています。

「英語・国語・社会」の3科目でも受験ができる大学も出てきたんです。

これにより理系だろうが文系だろうが関係なく建築を学ぶことが可能になりました。

まだ全ての大学でこのようなシステムになったわけではないので、世間一般で言われている一流大学で建築を勉強したいということになると話は変わってきますが、大学はどこでも良いのでとにかく建築を勉強したいという文系の学生さんにとっては将来の選択肢が広がります。

しかし、文系科目で受験して入学した場合、以下のような不安を感じる方もいるかもしれません。

文系出身でも大学に入ってから建築の勉強についていける??

建築学部になったとは言え、建築に工学の側面があることには変わりありません。

それゆえ、建築を学ぶ過程の中で理科系科目を学ぶ必要も出てきます。

文系科目で入学したはいいけど、理系科目についていけるのか不安に思う学生さんも多いかと思いますが、大学側もそれに対して対応はしているようです。

例えば、大同大学では理系科目が苦手な学生に対して補習授業を行いフォローする制度があります。

これは個人的な感想レベルの話ですが、自分の経験からすると理系科目についていくのは全然問題ないと思っています。

自分は高校時代、理系クラスにいましたが当時医療系に進むつもりでいたので当時勉強していた理科科目は「化学」と「生物」でした。

当然「物理」を選択することもできたわけですが、ちょっと何言ってるかわからなかったので選択しませんでした。

そんな「物理」に関する知識ほぼゼロの状態で建築学科に入学しました(受験に失敗したため)

当時は上で紹介したようなフォロー制度みたいなものはどこの大学にもなかったし、高校物理は知ってて当然でしょ?みたいな感じで授業が進んでいった記憶があります。

いろいろ苦労はしましたが単位を取るってことだけを考えるならば、物理や構造力学はパターンを覚えてしまえば理屈は知らなくても何とかなります。

理科科目だけの話をしましたが、これは数学も同様。

もし、理系科目を勉強してみてついて行けないと思ったらひたすら問題のパターンの暗記をしてみてください。

これで単位は取れます。

構造設計・設備設計の仕事に進む方は話は別かもしれませんが、意匠系や施工系の仕事に就くのであれば、実務でこのあたりの知識を使うことはほぼないので大丈夫。

上司から「これ、積分しといて」なんていう指示が来ることはありません。

ただ、建築士試験の勉強では苦戦するかもしれませんが・・・(自分は今絶賛苦戦中)

理系科目を選択せず文系科目だけで受験可能な建築学部がある大学の一例

理系科目を選択せず文系科目だけで受験可能な建築学部がある大学の一例

文系科目だけでも受験が可能は建築学部はいくつかありますが、ここでは3校紹介しておきます。

以下の情報は2023年12月現在の情報となります。

また、「数学1A・2B」は文系科目として扱います。

工学院大学

日本の大学の中で工学部にある建築学科を建築学部に格上げした一番最初の大学がこの大学。

建築学部の中に以下の3つの学科が設置されています。

  • まちづくり学科
  • 建築学科
  • 建築デザイン学科

日程によっては文系科目が選択できない日程もありますが、基本的には上記3つの学科全てが文系科目のみで受験可能となっています。

また、大学が独自で実施する試験でも共通テスト利用する試験でも、共に文系科目のみでの受験が可能です。

共通テスト利用の後期日程では「数学1A・2B」を利用せず、「英・国・地歴」で受験できます。

詳しい受験要項についてはこちらの資料を参照してください。

近畿大学

近畿大学も工学院大学と同時期に建築学部を創設したと大学です。

この大学は学科というものは存在していません。

2年次に適正に合わせたコース分けがなされて、3年次に選んだコースによってさらに2つの専攻に分かれていくシステムとなっています。

(2年次)建築工学・デザインコース→(3年次)建築工学専攻 or 建築デザイン専攻

(2年次)住宅・企画コース→(3年次)住宅建築専攻 or 企画マネジメント専攻

入試の際にはコース分け等がありませんので、文系科目で受験して入学してもどちらのコースでも選択することができます。

入試要項を見るとB日程と一般入試後期日程を選択すると文系科目のみで受験可能となっています。

近畿大学の場合は、数学1A・2Bを使わずに「英・国・地歴」での受験が可能です。

数学が苦手な人にはおすすめです。

詳しい受験要項についてはこちらの資料を参照してください。

大同大学

上記2校は建築学部の先駆け的存在ですが、大同大学の建築学部は2024年3月からスタートする一番フレッシュな建築学部です。

建築学部の中に以下の4つの専攻が設置されています。

  • 建築専攻
  • インテリアデザイン専攻
  • 都市空間インフラ専攻
  • かおりデザイン専攻

かおりデザイン専攻というのが気になったので調べてみました。

かおりの可能性を追求し、
生活環境の未来を拓く人材を育てます。

かおりデザイン専攻では、生活環境をトータルに捉え、においの特性、嗅覚の仕組み、においの測定・評価技術、消臭対策、調査技術などを学びます。
におい・かおりが生活に及ぼす影響は極めて広範囲で、その適切なコントロールは社会的な注目を集めています。中部圏の企業や自治体との連携研究にも取り組んでおり、様々な環境にふさわしいかおりのあり方、可能性を追求する人材を育てていきます。

大同大学建築学部公式Webサイトより引用

かおりから建築を考えるってのはまた面白い試みですね。

大同大学の入試は理系型と文系型の2つが用意されています。

どの専攻を選択しても文系型(英・国・数)で受験ができます。

詳しい受験要領についてはこちらを参照してください。

まとめ:理系・文系問わず建築の世界に飛び込んでみよう!

これも個人の感想レベルの話ですが、大学側からするとこの建築学部創設は理系出身者だけではなく文系出身者も取り込むことで、学生数を確保するという目的もあるのではないかと思います。

上でリンクを張っておいた朝日新聞thinkキャンパスの記事内では建築学部に再編して女子学生が4割増えたという事例が紹介されていました。

定員割れする大学も増えているようですし、大学側としても生き残るために打った一手なのかもしれません。

ただ、学生側からしたら文系科目であろうが理系科目であろうが得意な科目を使って受験ができて、建築を勉強する環境を得ることができるようになったわけなのでメリットしかありません。

大学は自分の好きなことを好きなだけ勉強できる場所です。

建築に興味はあったけど、文系科目しか勉強していないからという理由で建築学科への進学を諦めていた人がいたら、文系科目でも受験が可能の建築学部への進学を検討されてみてはいかがでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次