kagetoraまた今年も線引きか、面倒だな~
新しい年度の法令集が発売される時期になると毎年こんなことを思っていました。
法令集を買うのはいいんですが、そのあとに待っているあの大量の線引きがなかなかつらいんですよね。
僕は一級建築士試験を何度か受験する中で、問題を解きながら線を引く方法と、見本を見て先に線を引いてしまう方法の両方を試しました。
その経験から、線引きは見本を使って一気に済ませてから問題演習に進む方が自分には合っていると感じました。
作業時間の目安は、僕の場合で1日1時間ほどで約2週間程度かかったと思います。


この記事では、その線引きをできるだけ楽に終わらせるために考えた工夫を紹介します。
フリーハンドで引く、同じ色をまとめる、PDFを見開きにするなど、取り入れやすいところから試してみてください。
ちなみに、僕が学科試験に合格したのは2024年度(令和6年度)です。
合格して毎年の線引きから解放されたときは本当にほっとしました。
これから始める方には申し訳ないですが僕にとってはそれくらい苦行だったんです(^_^;)


道具やPDFの使い方は受験当時の経験をもとにしています。
一方、持ち込める法令集の条件は年度ごとの確認が必要なので、後半のFAQには2026年度の公式資料へのリンクも載せました。
これから受験する方はご自身の受験年度の案内を確認してください。
- 問題を解きながら線を引く方法が、僕には合わなかった理由
- 法令集の線引きを楽に進める7つの工夫
- 線引きにかかった時間と、予定の立て方
- 書き込み・インデックス・古い年度の法令集についての注意点
僕の法令集線引き履歴


線引きにかかる時間はできるだけ少なくしたい
法令集の線引きは時間と忍耐を使う作業です。
ひたすら見本を見て線を引いていると、この時間を過去問演習に回せたらなあと思ってしまいます。
お金に余裕があれば、誰かが線を引いてくれた法令集を買いたい。
最初から線引き済みのものとまっさらなものの2種類を販売して好きな方を選べたらいいのに・・・。
受験していた頃はそんなことまで考えていました。
もちろん、線引きそのものに全く意味がないと言いたいわけではありません。
必要な条文や条件を見つけやすくするためには役に立つ準備です。
線を引きながら条文に慣れていく人もいると思います。
ただ、僕の場合は見本を写しているだけで内容が頭に入るわけではありませんでした。
きれいに線を引いた達成感はあってもその条文を問題の中で使えるかどうかはまた別の話。
だから、線引きは勉強を進めるための準備として必要以上に時間をかけないことを心がけていました。
線の美しさにこだわりすぎず、あとで自分が読めて必要なところが見つかれば十分だと思っています。
法令集が完成したところで勉強まで終わった気になってしまうともったいないです。
線引きの負担を減らしてその先の問題演習に使う時間と気力を残しておきたいところです。
法令集の線引きは問題を解きながらだとなかなか前に進まなかった


線を引くだけの時間がもったいないなら問題を解きながら必要な場所に線を引けばいい。
そう考えてこの方法を試した年もありました。
問題で問われたところを確認してから線を引くので何のための線なのかはわかりやすいです。
自分に必要な箇所から少しずつ法令集を作れるという良さもあります。
ところが、実際にやってみると困ったことが起きました。
ひとつの問題にかかる時間が思っていた以上に長くなってしまったんです。
問題を読む、条文を探す、内容を確認する、線を引く。
それからまた問題に戻る。
この行ったり来たりでなかなか解く問題数が伸びないのです。



2時間もかけたのにまだ10問しか進んでないのか・・・
そんな日もあって気持ちが萎えてしまいました。
そのうち法規の勉強そのものを避けるようになってしまったんです。
本当は条文を調べている間にも勉強は進んでいたはずです。
でも、当時の僕はこれだけ時間を使ったのにこれだけしか解けていないと感じてしまいました。
自分の性格には作業と問題演習を一緒に進める方法が合わなかったのだと思います。
そこで、先に線引きを済ませてから問題を解くやり方に戻しました。
こっちの方法の方が良いというよりは、こっちの方法の方がマシだという消極的な理由で・・・。
あなたがもし問題を解きながら線を引く方法で順調に進んでいるならそのまま続けてもらって全然大丈夫です。
僕と同じように進まないことが負担になっているなら線引きだけを先に終える方法に切り替えましょう。
線を引く方法の選択肢はこの二つしかないのです。
僕が法令集の線引きで取り入れた7つの方法


先に終わらせると決めても線引きが面倒なことには変わりありません。
できるだけ短い時間で身体にも気持ちにも負担をかけずに進めたいですよね。
僕が取り入れた工夫と参考になった方法を7つに分けて紹介します。
全部を組み合わせる必要はありません。
できそうなものからマネしてもらえるといいかなと思います。
その7つの方法は以下の通りです。
- 線引きはフリーハンドで行う
- 区切りをつけやすい関係法令から始める
- 同じペンで引く箇所をまとめる
- 色の使い分けが負担なら赤青鉛筆を検討する
- マーカーの角を使って細い線を引く
- 修正しやすさと見やすさでペンを選ぶ
- 線引き見本のPDFを見開きで表示する
始める前には、法令集と線引き見本の年度・版が合っているかも一応確認しておきましょう。
ページ番号だけで判断せずに条文番号も見ながら進めると違う場所に線を引いてしまう失敗を減らせます。
線引きはフリーハンドで行う
定規を当てて、線を引いて、定規をずらして・・・。
一本ごとの動きは小さくても法令集全体ではかなりの回数になります。
作業を楽にするならフリーハンドで引く方法がおすすめです。
でも、線が曲がるとあとで見るたびに気になって夜も眠れないという方は定規を使っても良いと思います。
気になって何度も引き直すのであればかえって手間になってしまいますからね。
僕が基準にしたいのは、線がまっすぐかどうかよりどの言葉に線を引いたのかわかるかどうかです。
多少ゆがんでも文字に重ならず必要な範囲が読み取れれば十分だと思います。
また、長い線ほどフリーハンドでは引きにくくなります。
オレンジ色の法令集のような1段組に比べると、TAC出版や総合資格学院の法令集で見た2段組は一行が短いので線が引きやすいですよ。
ただ、線を引きやすいという理由だけで使い慣れた法令集を買い替える必要はありません。
手元の本で数ページ試して自分が無理なく続けられる引き方を決めれば良いと思います。
区切りをつけやすい関係法令から始める
資格学校の授業で法規は基準法からスタートするところが多いし、法令集の頭にあるので、建築基準法や建築基準法施行令のようなボリュームのある部分に線引きに取りかかる方が多いのではないでしょうか。
ここは線を引く箇所も多くてなかなか終わりが見えません。
頑張っているのにまだ同じ法令。
そういう時間が長くなるとだんだん気が重くなってしまいます。
そこで、僕がおすすめしたいのは関係法令の中でも線引き量が少ないものから始める方法。
今日はこの法令が終わったと区切りをつけられると進んでいる実感を持ちやすいからです。
小さな法令で作業に慣れてからラスボス的な建築基準法と施行令に向かう。
やる量は同じでもこの順番の方が気持ちは楽なんですよね。
ただし、関係法令なら何でも少量とは限りません。
見本をざっと見て自分の作業時間で終えられそうな範囲を選んでください。
大きな法令に入ってからも章や見開き単位で区切れば毎回最後まで頑張ろうとしなくて済みます。
同じペンで引く箇所は見開きの中でまとめる
僕が使っていたTAC出版の線引き見本では、オレンジと青のペン、オレンジ・赤・青・黄の蛍光ペンを使い分けていました。
2種類のペンと4種類の蛍光ペンで合計6本です。
見本の上から順番に線を引いていくとそのたびにペンを持ち替えることになります。
キャップを外したり閉めたりする動きも含めるとこれが意外に面倒です。
そこで、今開いているページのオレンジ色を先に全部引く。
次に黄色、その次に青、といったように、同じ色をまとめて処理します。
見開きで確認できるなら左右2ページ分をまとめると持ち替えを減らせます。
持ち替えが減らせるからといって、一冊全部の同じ色を先に引くのはやめましょう。
見直すページが多すぎて抜けを確認しにくくなるからです。
見開き2ページくらいの範囲がちょうど良いボリュームだと思います。
色の使い分けが負担なら赤青鉛筆も選択肢
正直今も同じやり方を推奨しているかわからないのですが、以前使っていた建築資料研究社のオレンジ色の法令集は赤青鉛筆で線を引く見本になっていたのです。
6本も使い分けるのは面倒、という方には赤と青が一本になった2色鉛筆という選択肢もあるので一応紹介しておきます。
少ない道具で済むのはやっぱり楽ですよね。
赤の部分を先に引いてから青に持ち替えるようにすれば、一本をひっくり返す動作も減らせます。
オレンジ本を使っていた当時のことを思い出しつつ、TAC出版の線引きの色分け方法とオレンジ本の2色鉛筆の方法をリンクさせたものが下の表となります。
| 元の線引き | 赤青鉛筆での置き換え例 |
|---|---|
| オレンジ色のペン | 赤色の下線 |
| 青色のペン | 青色の下線 |
| オレンジ色の蛍光ペン | 赤色の囲み |
| 赤色の蛍光ペン | 赤色の囲み |
| 青色の蛍光ペン | 青色の囲み |
| 黄色の蛍光ペン | 赤色の囲み |
この例はあくまでも僕が記憶を頼りに勝手に考えたものなので不正確な部分もあるかもしれませんがご容赦ください。
マーカーの角を使って細い線を引く
色を大きく変えずに道具の数を減らす方法として参考になったのが、TAC建築士講師ブログで紹介されていたマーカーの角を使う方法です。(参照:TAC建築士講師室ブログ 「TAC法令集の線引きを少し?かなり?早くする方法」)
オレンジ色のペンで引く細い線をオレンジ色のマーカーの角で引く。
青色も同じようにすれば細線用のペン2本を減らして4本のマーカーで作業できます。
紹介されていた写真を見る限りではきれいに線が引けているように感じました。
これは僕自身が使い続けて検証した方法ではありませんが持ち替えを減らしたい方には参考になると思います。
角の当て方やペン先の状態によっては線が太くなることも考えられます。
いきなり法令集で試すより別の紙で細い線が引けるか確認してから取り入れると良さそうです。
細線と太いマーカーの区別がつくことを優先してください。
ペンは修正しやすさと見やすさで選ぶ
僕が線引き用としておすすめしたいのはパイロットのフリクションボールノックとフリクションライトです。
間違えたところをこすって消せるので線を引く位置を取り違えたときに修正しやすいのが助かります。
また、僕が使った範囲では裏のページへの影響が比較的気になりにくいと感じました。
ただし、まったく裏移りしないわけではありません。
同じ場所を何度もなぞったりすると裏抜けすることもあるので気をつけましょう。
サッサと引くのがコツです。
淡い色が好みなら、フリクションライトのソフトカラーもあります。
ただ、僕には色が薄くてマークしたところが少し目立ちにくく感じられました。
濃く目立つ方が見つけやすい人もいれば淡い方が本文を読みやすい人もいると思います。
画面上の商品写真だけでは判断しにくいので手元の紙で線を引いた状態を見て選ぶのが良いでしょう。
なお、フリクションは熱でインクが無色になる性質があります。
パイロットは、高温になる場所に置かないよう案内しています。
せっかく引いた線を消さないためにも暑い車内などに法令集を置きっぱなしにしないようにしましょう。
詳しくはパイロットの商品ページにある使用上の注意を確認してください。
そうそう、このフリクションライトですが製図試験の際にも活躍します。
投資しておいて損はありませんよ。
線引き見本のPDFを見開きで表示する
PDFで配布される線引き見本を使うなら、画面も法令集と同じ見開きにしておくと作業しやすくなります。左右2ページを一度に確認でき、同じ色をまとめて引く方法とも相性が良いです。
TACの線引き見本については、TAC公式の法令集案内ページで、対象年度や入手方法を確認できます。手元の法令集に対応したデータを使ってください。
見開き表示にするだけなら、PDFを編集する有料ソフトが必須というわけではありません。使っているPDF閲覧ソフトに、2ページ表示や見開き表示の機能があるかを確認してみてください。
Acrobatの場合は、ページ表示の設定から2ページ表示を選び、必要に応じて表紙を単独で表示する設定も使います。操作名や位置は環境によって異なるため、Adobe公式のPDF表示設定の説明も参考にしてください。
2024年度版のTAC法令集の見本から、見開き表示と「見開き表示ページで表紙を表示」の設定を組み合わせることで法令集と同じ組み合わせで表示できるようになってとても便利になりました。
以前の見本データはこのような調整がなかったので、左右の組み合わせを合わせるために途中へ白紙ページを追加する調整が必要ったんです。
その方法については下記記事を見てみてください。


こちらは過去の配布データに合わせた方法です。
今後配布される見本ではこのような編集は必要ないかもしれません。
もし編集が必要となった場合は、配布元の利用条件を確認したうえで調整を検討してください。
配布データや編集後のファイルを人に渡したり公開したりするのは控えましょう。
もうひとつ気をつけたいのが画面の大きさ。
2ページを一度に表示すると文字が小さくなるので表示するモニターは大きい方がいいです。
僕はiPad Proの12.9インチを使ってやってましたがこの大きさなら許容範囲かなと感じました。
パソコンの画面だと大きいので見やすいのはいいのですが、法令集と画面を交互に見るために上下に首を動かし続けないといけないのが地味に疲れます。
持ち込み法令集の線引きと書き込みに関するFAQ


法令集への線引きは見本を見ながら短期間に一気にやってしまおう!
法令集の線引きは法令集を見やすくするためのものなので、どのように作るかは人それぞれだと思いますが、自分のやり方と思うところを書いてみました。
線引きはあくまでも問題を解くための準備です。
力を使うところは線引きではありません。
そのあとの問題を解く段階です。
線引きは余計な労力と時間をかけずサラッと終わらせてしまいましょう。
この記事を読んでいただいている方はすでに使用する法令集が決まっている方かと思いますが、もしまだ使う法令集が決まっていない方がいらっしゃったらこちらの記事を読んでみてください。


TACの法令集は内容もさることながら、資格学校の営業マン対応とかいろいろと面倒なことが起きなくて良いのです。
この記事が少しでも皆さんのお役に立ててたらうれしいです。


