【一級建築士】40代、50代で1級建築士試験を受験する価値を考える

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40代、50代で1級建築士試験を受験する価値を考える

まずは、こちらのデータをご覧ください。

区分構成比
23才以下9.3%
24~26才31.2%
27~29才20.7%
30~34才17.3%
35~39才10.1%
40才以上11.4%
建設技術教育普及センターWebサイトより引用

一級建築士試験の製図試験に合格した年齢層の構成です。

平均年齢は30.1歳となっています。

ご覧の通り、受験者も合格者もボリュームゾーンは20~30代。

一級建築士試験は難関資格ですので自分のように複数回受けている人も少なくありません。

受けては落ち、受けては落ちを繰り返し、気がついたら40代、50代になっていたって人もいるかもしれません。

人生も中盤に差し掛かり、多くの方々がキャリアや人生の再評価を始める人も多いかと思います。

40~50代という年齢は、多くの経験を積み、さらなる成長を目指す新たなスタートラインに立つ時です。

そんな中で、一級建築士試験にチャレンジするという選択肢は果たして意味のあることなのか。

今回の記事では40代、50代になってもこの試験を受験する価値があるのかについてまとめていきます。

※あくまで個人の感想ですので参考程度に読んでみてください。

目次

40代、50代でも一級建築士試験を受験して合格できるのか

40代、50代でも一級建築士試験を受験して合格できるのか

合格はもちろん可能だが、難易度は高い

前書きに載せた製図試験合格者データを見ても全体の約10%の方が40代以上となっています。

現に合格されている方がいるわけなので、合格は可能です。

しかしながら、20代、30代の方と比べたときに決定的に不利になるのが勉強時間。

一級建築士資格は仕事をしながら勉強しなければいけない試験です。

40代、50代と言えば、会社の中でもそれなりに責任のある地位に就いている人が多いと思います。

責任者になれば勉強よりも仕事を優先しなければいけないことも多々出てきます。

そうなった時に勉強時間を確保することができるのかと言うのが問題になってきます。

学科はスキマ時間で対応もできると思うので良いとは思いますが、製図の場合はある程度まとまった時間を確保しなければなりません。

その時間を捻出できるかが合格の分かれ道になってきます。

40代、50代で一級建築士試験を受験して合格したらどうなる?

会社の中での立場はどうなる?

一級建築士試験は建設業の中でも最高ランクの資格です。

その試験に合格したわけですから、周りからの評価も当然良くなります。

企業にお勤めの方であれば資格手当が増えて給与が増えたり、任される仕事がもっとボリュームのある仕事になったり、責任ある立場での仕事にだんだんシフトしてくるはずです。

独立して一級建築士事務所を開設できる?

建築士事務所を運営するには管理建築士を専任で置く必要があります。

管理建築士を置かなければ建築設計事務所として業務運営ができません。

管理建築士になるためには建築士としての実務経験が3年以上必要になります。

ここで2つのパターンを考えてみます。

もしあなたに二級建築士としての実務経験が3年以上あったら

前述の通り、管理建築士になるには建築士としての実務経験が3年以上必要です。

建築士としての実務経験なので、一級建築士でも二級建築士でも木造建築士でも建築士は建築士。

二級建築士としての実務経験が3年以上あれば、管理建築士になる要件を満たしていることになります。

よって、このパターンの場合は独立して事務所を開くことは可能となります。

もしあなたに建築士としての実務経験がなかったら

建築士としての実務経験がない場合、あなたは一級建築士試験になっても管理建築士になれません。

この状態で事務所を開くとしたら次の2つの選択肢が考えられます。

● 一級建築士として実務経験を3年以上積む

設計事務所や建設会社にお勤めであればそこであと3年経験を積むというのが一つ目の選択肢。

お勤めでない場合は、どこかの設計事務所や建設会社に一度入社して経験を積む必要があります。

独立する場合は自分が事務所開設者と管理建築士を兼ねることがほとんどですので、多くの方がこの選択肢を選ぶことになるはずです。

● 自分が開設者となって事務所を開き、別の人物を管理建築士に擁立する

これはあまり現実的ではないかもしれませんが、自分が開設者として事務所を立ち上げて、管理建築士を外部から連れてくる方法も考えられます。

そうすれば建築設計事務所としての業務ができますので、自分の事務所で3年以上の実務経験を得ることができます。

管理建築士をどこから連れてくるかというのがネックになりますね。

例えば、知り合いに引退した建築士さんがいたりすれば、独り立ちするまでの間だけ管理建築士をお願いするってことができるかもしれません。

40代、50代で別業種から一級建築士として建築の世界に飛び込む場合

40代、50代でも昔からずっと夢見ていた1級建築士として建物を設計することを目指したいと言う方もいるかと思います。

現状の安定した生活を捨てて、建築の世界に飛び込むわけですから、大変険しい道のりになるのは覚悟しなければなりません。

ただ、ルートがないわけではないし、はれて夢が叶った時の達成感は凄まじいものがあるのでやる価値は大いにあると思います。

ここでは2つのパターンを考えてみます。

大学で建築学科を卒業したが今は建設業以外の業種で仕事をしている

今は別の仕事をしている人が大学で建築学科を卒業している場合。

このパターンの場合は、すでに一級建築士試験を受験する資格を持っているので、受験することは可能になります。

昔は実務経験がなければ受験ができない制度になっていたのですが、令和2年より実務経験が受験の時ではなく、一級建築士免許登録時に必要になると言うことに緩和されました。

「大学、短大、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者」であれば、受験が可能です。

大学卒業の場合は、合格後2年以上の実務経験を積むことで一級建築士となることができます。

短大や高等専門学校の場合は実務経験が大学卒業の場合より長くなります。

この後管理建築士にならなければ独立することができないので、もし独立を考えるのであれば、受験合格後に実務経験を積む会社に5年以上在籍することが必要になります。

建築とは今まで関わりがなく全くの未経験者

今まで建築を勉強したことがない方が建築の世界に飛び込もうとする場合、まずは建築を学ぶための学校に入学する必要があります。

もしあなたがどこかの大学や短大等を卒業している場合は、建築学科のある4年制の大学に編入するのが最短ルートになります。

今は通信制の大学を増えているので仕事をしながら大学で学ぶことも可能になっています。

大学を卒業すると1級建築士試験の受験資格を得ることができます。

受験に合格したらどこかの会社に就職して実務経験を積むことで1級建築士として登録、さらに実務経験を重ねて管理建築士になって、ゆくゆくは独立という方向に進んでいくことになります。

まとめ:40代、50代で一級建築士試験を受験する価値はあるのか

家族や職場のサポートがあれば受験価値はある

あくまで個人の印象ですが、家族や職場のサポートがあれば受験価値ありかなと思います。

1級建築士資格は建築業界では影響力のある資格ですので合格すればそれなりのインパクトがあります。

ただ、受験をするということであれば、前述したとおり、仕事でも責任のある地位に立って仕事をしていたり、子育て真っ最中のご家庭もあったりで、時間とお金に関する問題がついて回ります。

家族や職場での協力も必要になってくる場面が増えます。

そのような協力が得られる環境が確保できたらあとはがんばるだけです。

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