製図用シャーペンと普通のシャーペン、その違いをきちんと理解していますか?
見た目は似ていても、性能や使い心地には驚くほどの差があります。
特に建築士を目指すあなたにとって、精密な線を引くための道具選びは、作業の質や効率を大きく左右します。
この記事では製図用シャープペンの性能や使用法についてまとめてみました。
また、せっかく手に入れたシャーペンを製図に使うだけはもったいないので、普段使いでも使えるかを合わせてまとめてあります。
さらに、ステッドラーをはじめとする高級モデルの魅力や、芯の選び方、太さの使い分けなど、実践に役立つ情報をお届けします。
あなたが「次に選ぶ一本」が、どんな作業にも応える最高の相棒となりますように。
この記事が相棒捜しの参考になったらうれしいです。
- 製図用シャーペンと普通のシャーペンの違いとそれぞれの特徴
- 製図用シャーペンのメリットと用途に応じた活用方法
- 芯の太さや濃さの選び方と使い分けのポイント
- 高級製図用シャーペンの機能性と選び方の基準
普段使いできるかの前に製図用のシャーペンと普通のシャーペンの違いをチェック
- 製図用シャーペンとは
- 製図用シャーペンのメリット
- 定義的には製図用シャーペンと普通のシャーペンはガイドパイプの長さが違うだけ
製図用のシャーペンとは
製図用シャーペンとは、精密な作業を行うために特別に設計されたシャーペンのことです。
一般的なシャーペンと比べて、より細かい文字や正確な線を引くことができるように工夫されています。
製図用シャープペンの特徴の一つは、芯が折れにくい設計になっていることです。
普通のシャーペンでは、芯が折れてしまうことが多いですが、製図用シャープペンはその問題を解消するために、強度が高く作られています。
また、ペン先が長めに設計されているため、線を引くときに視界を邪魔することなく、正確な線を引くことができます。
さらに、製図用シャープペンは重心が低めに設定されていることが多いです。これにより、安定してペンを動かすことができ、安定した書き心地を実現しているのも特徴です。
また、普通のシャーペンよりも値段設定が少し高めとなっています。
図面などの作図やイラスト制作、模型作りなどに使用されることが多いです。
製図用のシャーペンのメリット
製図用シャーペンには、普通のシャーペンにはない多くのメリットがあります。
まず、最も大きな利点は精密な作業がしやすいことです。
長いガイドパイプにより、定規を使った際に線を正確に引くことができます。
また、低重心設計により安定した書き心地を実現しており、細かい作業も快適に行えます。
さらに、製図用シャーペンは芯の太さのバリエーションが豊富です。
0.3mmから2.0mmまで幅広く選べるため、文字の大きさや線の太さを自在に変えられます。
これにより、一本で多様な表現が可能となり、作業効率が向上します。
加えて、グリップ部分も工夫されています。
多くの製品でローレット加工が施されており、滑りにくく長時間の使用でも安定して持つことができます。
定義的には製図用のシャーペンと普通のシャーペンはガイドパイプの長さが違うだけ
結局、製図用シャーペンと普通のシャーペンの違いって何なの?
ここまで製図用シャーペンの特徴やメリットについて書いてきましたが、普通のシャーペンとたいして変わらない感じがしませんか?
確かにその通りで、特段大きな違いがあるわけではないのです。
ただ、JIS規格(日本工業規格)JIS S 6013:2020 シャープペンシルには製図用シャーペンについて、ガイドパイプの長さは3mm以上と定められています。
定義的にはこれ以外に両者の違いはありません。
つまり、ガイドパイプの長さに関する規定があるかないかの違いだけで、ほぼ同じものなのです。
普段使いに製図用のシャーペンは向かない?両者の違いをもう少し深掘り
- 製図用シャーペンも普段使いできます!
- 製図用シャーペンと普通のシャーペンの使い分け
- 製図用シャーペンの選び方ポイント
- 建築士製図試験には製図用シャーペンを選ぶべき
- 勉強に使うなら製図用でも普通のシャーペンでもOK
- 製図用シャーペンにおける芯の選び方
- 製図用シャーペンを使うなら高級モデルの方がいいのか
製図用のシャーペンも普段使いできます!
製図用シャーペンは、普段使いにも適しているかどうか気になるところです。
結論から言えば、普段使いでも十分活躍します。
上記で述べてきたとおり、製図用シャーペンと普通のシャーペンの違いはガイドパイプの長さの違いだけです。
製図に使用するだけではなく、一般的な勉強や書き物にも使うことができます。
ただし、製図用シャーペンは普通のシャーペンよりも少し重くて重心が低いこと、また、金属製のものが多いことが特徴です。
これにより、安定感が増し、精密な作業には適している一方、長時間使うと手が少し疲れやすいかもしれません。
普通のシャーペンの方が圧倒的に軽いんです。
そのため、軽さを重視するなら、普通のシャーペンでグリップ部分がプラスチック製やラバー製のものを選ぶと疲れにくくなります。
また、ペンケースに収納する際、ガイドパイプが折れたり曲がったりしないように注意してください。
製図用のシャーペンと普通のシャーペンの使い分け
製図用シャーペンと普通のシャーペンは、それぞれに特徴があり、使い分けることで作業の効率や精度が大きく向上します。では、どのように使い分ければ良いのでしょうか。
まず、製図用シャーペンは、正確な線や細かい文字を書くときに最適です。
例えば、建築図面を描いたり、設計作業を行ったりする際には、製図用シャーペンの精密さが役立ちます。
芯が折れにくく、低重心で安定しているため、緻密な作業を行うときに非常に便利です。
一方で、普通のシャーペンは、日常のちょっとしたメモ書きや、あまり精度を求められない作業に適しています。
普通のシャーペンは軽量で、芯の出し入れも簡単です。また、製図用シャーペンと比べてペン先が短いため、普段使いにはより手軽に使えるでしょう。
例えば、会議中のメモや、簡単なアイデアスケッチなど、スピードが求められる場面では普通のシャーペンが便利です。
このように、製図用シャーペンは精密さが求められる作業に、普通のシャーペンは日常の手軽な筆記に向いています。
あなたの作業内容に合わせて、これらのシャーペンを使い分けることで、作業効率を高めることができるでしょう。
どちらも適材適所で活用することが、最も効果的な使い方です。
製図用のシャーペンの選び方ポイント
製図用シャーペンを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくと、自分に合った最適な一本を見つけやすくなります。
ここでは、その選び方のポイントをお伝えします。
まず、芯の太さは非常に重要な要素です。
製図用シャーペンには0.2mmから2.0mmまでさまざまな太さの芯があります。
建築図面や設計図を描く際には、0.3mmや0.5mmの細い芯が適しています。
細かい線を引いたり、文字をきれいに書くために最適だからです。
一方で、ラフスケッチやデッサンには、1.3mmから2.0mmの太めの芯が使いやすいでしょう。
これらの太さの芯は、力を入れても折れにくく、滑らかな書き心地が得られます。
次に、シャーペンの重さと重心を確認しましょう。
製図用シャーペンは一般的に低重心で、重めに作られています。
低重心のシャーペンは安定感があり、線を引くときに手がブレにくいのが特徴です。
しかし、長時間使用する場合には、あまりに重いと手が疲れてしまうこともあります。
自分がどのくらいの時間作業を行うのかを考慮して、適切な重さのものを選ぶと良いでしょう。
さらに、グリップの素材や形状にも注目してください。
長時間シャーペンを使うと、手にかかる負担が大きくなります。
金属製のグリップは滑りにくく、しっかりと握れるため精密な作業には向いていますが、硬くて手が痛くなりやすいこともあります。
一方で、ラバー製のグリップは柔らかく、握りやすいので、長時間の作業でも疲れにくいというメリットがあります。
あなたが普段どのような使い方をするかに合わせて、最適なグリップを選びましょう。
最後に、追加機能も見逃せません。
例えば、芯を素早く出せるノック不要のタイプや、芯の硬度を表示する機能が付いたシャーペンもあります。
これらの機能は作業効率を高め、より快適に作業を進めることができるので、必要に応じて検討してみてください。
では、ここからはそれぞれのシチュエーションに合わせて、どちらのシャーペンが適しているかを見ていきます。
建築士製図試験には製図用のシャーペンを選ぶべき
製図用シャーペンは名前の通り、製図のために作られたシャーペンです。
CAD全盛期の現在、製図用シャーペンは建築士製図試験のためにあると言っても過言ではありません。
まず、正確な線が引きやすいことが大きなポイントです。
建築士試験では、細かい部分まで正確に描かれた図面が求められます。
製図用シャーペンは、ガイドパイプが長めに設計されているため、定規を使って線を引くときに視界を妨げることがなく、細部までしっかり確認しながら描けます。
ガイドパイプが短いシャーペンで線を描こうとするとペン先が定規に隠れてしまい、どこに線を引いているかわかりにくくなってしまいます。
製図用シャーペンはガイドパイプが長いので、定規を当ててもガイドパイプが見えるので線を引いている位置が明確になるのです。
これにより、図面のクオリティが高まり、試験の評価にも良い影響を与えるでしょう。
次に、芯が折れにくい設計が試験中のストレスを軽減します。
製図試験ではなるべく濃くハッキリと作図しようとするため、どうしても筆圧が高くなってしまい、芯も折れやすくなるんです。
作図中にポキポキ芯が折れてばかりいると、集中力が切れてイライラする一方。
製図用シャーペンは、長いガイドパイプが芯をしっかりと守ってくれているので、力を入れても折れにくい設計になっています。
そのため、安心して作業に集中することができます。
さらに、低重心で安定感があることも試験においては重要です。
製図用シャーペンは重心が低く、ペン先がブレにくいように作られています。
これにより、安定感か増すため、一定の線幅で描き続けることができます。
このように、建築士製図試験では、製図用シャーペンの精度や耐久性、安定性が大いに役立ちます。
この試験に挑む際には、製図用シャーペンを選ぶことで、試験のパフォーマンスを最大限に発揮できるはずです。
勉強に使うなら製図用でも普通のシャーペンでもOK
勉強に使うシャーペンを選ぶ際、製図用シャーペンでも普通のシャーペンでも問題ありません。
どちらにもそれぞれのメリットがあり、あなたの勉強スタイルに合わせて選ぶことができます。
まず、製図用シャーペンは上記でも述べてきたとおり、芯が折れにくく、細かい文字や線を描くのに適しています。
特に数学や物理のように、図やグラフを正確に描く必要がある科目では、製図用シャーペンの精度が役立ちます。
また、低重心設計されているため、安定した筆記が可能となります。
一方で、普通のシャーペンは軽量で扱いやすく、長時間の筆記でも手が疲れにくいという利点があります。
普段から使い慣れているシャーペンであれば、特に違和感なくスムーズに勉強を進めることができるでしょう。
また、コストが比較的安いため、気軽に使い続けることができます。
いずれにしても、勉強において重要なのは、使いやすさと自分に合っているかどうかです。
最近では見た目で使うペンを選ぶ人も増えているそうです。
シャーペンの見た目や重量感、書き味等、実際に店頭で確認してお気に入りの一本を見つけてみてください。
製図用のシャーペンにおける芯の選び方
製図用シャーペンの芯の太さを使い分けることで、作業の効率や仕上がりが大きく変わります。
それぞれの太さには適した用途があるので、効果的に使い分ける方法を知っておくことが大切です。
勉強や一般的な作図に使用するとき
まず、0.2~0.3mmは、細かい文字や繊細な線を描くときに適しています。
建築図面や設計図で細部を描写する際、この芯を使うことで、精密さを保ちつつ、綺麗な線を引くことができます。
例えば、家具の細かい部分や寸法を記入する際に、非常に役立つでしょう。
芯が細いので折れやすいことと、濃い文字が書きにくいところがデメリットと言えます。
次に、0.5mmは、最も汎用性が高く、一般的な製図や勉強にも広く使われています。
この太さは、細かい線を描きながらも、少し太めの文字を書きたいときにも便利です。
例えば、ノートに図を描いたり、メモを取ったりする場合には、0.5mmの芯が適しているでしょう。
そして、0.7mmやそれ以上の太さの芯(0.9mm~2.0mm)は、太い線を描く必要があるときに使います。
建築図面で壁や柱など、強調したい部分を描く際には、これらの太さの芯が理想的です。
太い芯は力を入れても折れにくく、線をはっきりと描くことができるので、図面にメリハリをつけるのに役立ちます。
太めの芯はデッサン・イラストなど絵画表現の際にも使用されることが多いです。
細部表現には向きませんが、芯が太くて折れにくく、細い芯のものと比べて書き味が柔らかいので手が疲れにくいのも特徴です。
最後に芯の濃さについて。
芯の濃さは濃い順に「4B・3B・2B・B・HB・F・H・2H・3H・4H」となっています。
一般的に使われているのはBもしくはHBです。
BもしくはHBを基本にしてもっと濃いほうがよければ2Bへ、もっと薄い方がよければHと言った具合に選んでいくことになります。
あと、芯が濃い方が書き味がやわらかく、薄いと硬いといった特徴もあります。
芯の濃さや書き味を確かめながら用途に合ったものを選んでみてください。
一級建築士作図試験に使用するとき
一級建築士製図試験では、基本的にシャーペン1本で線の強弱を表現するのが基本です。
シャーペンを持ち替える時間がもったいないからです。
周りの話を聞く限りだと、芯の濃さBの0.5mmシャーペン1本で作図する人が多い印象です。
これは少数派ですが、複数のシャーペンを使い分けて、線の濃さや太さを表現する人もいます。
例えば、柱や壁は0.7mmのB、間仕切り壁は0.5mmのHB、家具は0.3mmのHといった具合です。
ちなみに、自分は2Bの0.5mmのシャーペン1本だけ使ってすべて描いています。
筆圧が弱いせいかわかりませんが、Bで描くと添削の時に「薄い」っていわれてしまうんですよね。
仮線が濃すぎてしまったり、図面が汚れやすくなったりするので、シャーペンを使い分けたいと思ってしまうのですが、グッと我慢して1本で描いています。
シャーペン1本で線の引き分けが難しい場合は、複数本使うことも検討しても良いかもしれませんが、1本のシャーペンで線の引き分けができるように練習するのが基本だと考えてください。
製図用のシャーペンを使うなら高級モデルの方がいいのか
必ずしも高級モデルが良いとは言えませんが、値段相応のポテンシャルを持っているのも事実。
ここでは高級モデルとされているシャーペンの特徴についてまとめてみます。
高級製図用シャーペンの特徴は、精密さと耐久性、そして使い心地の良さにあります。
まず、これらのシャーペンは非常に精密に作られており、ペン先が非常に細かく設計されています。
そのため、あなたが建築図面を描くときでも、細かい線をしっかりと描き分けることができます。
また、ペン先が長めに設計されているため、定規を使って線を引く際にも視界を妨げることなく作業ができます。
さらに、耐久性も高級製図用シャーペンの大きな特徴です。
これらのシャーペンは、頑丈な素材で作られているため、長時間の使用や繰り返しの使用にも耐えます。
特に、金属製のシャーペンはその重さと相まって、ペンの重心が安定し、線を引くときのブレを抑える効果があります。
このため、あなたが長時間作業しても疲れにくく、安定した描き心地を維持できます。
また、高級製図用シャーペンはデザインにもこだわりがあります。
例えば、ステッドラーやロットリングといった有名ブランドは、洗練されたデザインと高い機能性を両立させています。
これにより、道具にこだわりを持つあなたにとって、見た目も美しく、手に取るたびに満足感を得られるでしょう。
最後に、これらのシャーペンには、使いやすさを向上させるための工夫が施されています。
例えば、グリップ部分にローレット加工が施されているものは、滑りにくく、しっかりと握ることができます。
また、芯の硬度を表示できる窓が付いているものもあり、複数の芯を使い分ける際に便利です。
このように、高級製図用シャーペンは、精密さ、耐久性、そして使い心地に優れており、建築士として高い精度を求めるあなたに最適な道具と言えるでしょう。
選ぶ際は、自分の使用目的や好みに合ったものを慎重に選ぶことをおすすめします。
高級モデルは長く使えるものが多いので、じっくりと検討して理想の一本を見つけてください。
まとめ:製図用のシャーペンは普段使いも可能。普通のシャーペンとの違いはガイドパイプの長さ
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
- 製図用シャーペンは精密な作業に適した設計である
- ガイドパイプが長く、正確な線引きがしやすい
- 芯が折れにくく、高い耐久性を持つ
- 重心が低く安定した書き心地を提供する
- 0.3mmから2.0mmまでの幅広い芯の太さを選べる
- 建築士試験での作図に最適な機能性を備えている
- 普段使いにも使用できるが、重さが気になる場合がある
- ラバー製や金属製など、用途に応じたグリップ素材が選べる
- 普通のシャーペンと比較して耐久性と精密性が優れている
- 芯硬度表示機能があり芯の管理がしやすいモデルもある
- ノック不要など作業効率を上げる付加機能を持つ製品もある
- ステッドラーやロットリングなどの高級ブランドが人気
- 高級モデルは長期間の使用に耐えられる設計になっている