ホント今更って感じなんですが、今年は帝国ホテルのライト館が開業してから100周年の年になると言うことを先ほど本屋で雑誌を見ていて知りました。
フランク・ロイド・ライトの建築は、新婚旅行でグッケンハイム美術館を見に行ったし、新婚旅行から帰ってきた日に東京で一泊したのですが、その時のホテルが帝国ホテルだったりして、個人的には何かしらの縁を勝手に感じていたのですが、まさか今年がメモリアルイヤーだったとは知りませんでした。
そこで、今日の記事ではフランク・ロイド・ライトについてまとめてみようと思います。
さらに、100周年の記念にいろいろなイベントや展覧会なども開催されているらしく、今からでも間に合うなら参加してみたいということで、いろいろと調べてみたので、それらの情報も共有していきます。
フランク・ロイド・ライトって何者??
フランク・ロイド・ライト(1868~1959年)は近代建築の3代巨匠と呼ばれる3人のうちのひとり。
世界的に有名なアメリカの建築家です。
彼は「有機的建築」と言う概念を提唱しました。
有機的建築とは、その立地の自然環境や周囲の風景と調和し、まるで生きているかのように一体化している建築物のこと。
有機的建築の特徴は以下の通り。
ChatGPTさんが教えてくれました
- 自然との調和:建物はその立地の自然環境と調和するように設計されます。自然の形やテクスチャーを取り入れ、周囲の風景と一体化するように工夫されています。
- 素材の使用:自然素材を積極的に使用し、建物が自然の一部であるかのような感覚を生み出します。石、木材、ガラスなどが多用されます。
- 開放的な間取り:内部空間は開放的で、部屋と部屋の境界が曖昧になるような設計が特徴です。自然光がたっぷりと入るように窓が大きく取られることも多いです。
- 形と機能の一体化:建物の形状は、その機能や住む人々の生活に合わせて設計されます。形と機能が一体となり、無駄のない美しさを追求します。
ざっくり言うと自然をお手本に作った建築って感じでしょうか。
同じく、近代建築の3代巨匠のひとりである、ル・コルビュジエが目指したのはライトとは真逆の無機質な建築でした。
個人的には有機的建築の方が好み。
特に好きなのがプレーリーハウスと呼ばれる住宅様式で、その特徴は以下の通り。
ChatGPTさんが教えてくれました
- 水平線の強調:プレーリー様式の建物は、広々とした水平線を強調します。低い屋根、長い水平線を持つ窓、広いオーバーハング(屋根の張り出し部分)などが特徴です。
- 開放的な間取り:内部空間は開放的で、部屋と部屋の境界が曖昧になるような設計がされています。中央のリビングスペースを中心に、他の部屋が配置されることが多いです。
- 自然素材の使用:木材、石、レンガなどの自然素材が積極的に使用されます。これにより、建物が自然の一部であるかのような感覚が生まれます。
- 自然光の取り入れ:大きな窓が多用され、自然光がたっぷりと内部に入るように設計されています。これにより、室内が明るく開放的な雰囲気になります。
- 装飾の控えめさ:プレーリー様式の建物は、過度な装飾を避け、シンプルで機能的なデザインを重視します。
フランク・ロイド・ライトの代表作品
写真を載せると著作権の侵害になるかもしれませんので建物が紹介されているWebサイトを紹介します。
落水荘(カウフマン邸)
ライトと言えばこの建物が一番有名かもしれません。
自分の中で一度実物を見てみたいランキング第1位の建物が落水荘です。
こんなところにこういう建物を設計するってのもすごいと思いますが、個人的にはこんなところでよく工事やったなと施工した人たちの方がすごいと思ってしまいます。
ちなみに、この落水荘はレゴブロックのアーキテクトシリーズになってました。(現在は販売中止)
ロビー・ハウス
プレーリーハウスの実例でよく紹介されているのがこの建築です。
大学生の時に設計の授業でこの建築のトレースをやった経験があります。
グッケンハイム美術館
ライトは住宅以外の建物もたくさん手がけています。
前書きにも書きましたが、グッケンハイム美術館には行ったことがあるので、その時に撮った写真を載せました。
実際に空間を体験するって大事だと実感したのがこの建物でした。
建物の方にすっかり気を取られてしまって、展示してある美術品についての記憶がほぼ残ってない・・・。
ちなみに、左下の写真に写っている水飲みですが、これは美術品ではありません。
こういう水飲み場がいくつかあって形が面白かったので撮ってみました。
帝国ホテルのライト館とは
フランク・ロイド・ライトは日本が好きだったようで日本でもいくつかの建物を設計しています。
その中でも一番よく知られているのが帝国ホテルではないでしょうか。
帝国ホテル東京は1890年に開業したわけですが、初代本館の建て替えに伴い、2代目の本館の設計に指名されたのがライトでした。
ライトが設計した本館は「ライト館」と呼ばれています。
ただ、残念なことにライト自身、このライト館の完成した姿を実際に見ることができなかったんですよね。
経営陣とのトラブルにより完成前にアメリカへ帰国することになってしまったからです。
ライトの後任として一番弟子の遠藤新が指名され、遠藤新の指揮の下ついに建物が完成します。
そして、1923年9月1日、落成記念式典を行うその日、不運にも関東大震災に襲われました。
周辺の多くの建物が被害を受ける中、ライト館はほとんど無傷だったということで復興の拠点として一般に解放されたそうです。
その約20年後、1945年、今度は第二次世界大戦での東京大空襲により甚大な被害を受けることになりますが、戦後GHQにより接収され、大規模な改修工事が行われて復活を果たします。
そんな関東大震災や第二次世界大戦での戦火を乗り越えてきたライト館でしたが、老朽化のため1967年に取り壊わされました。
しかしながら、その玄関部分は博物館明治村に移築されており、今でも見ることができます。
取り壊される前のライト館の全景写真が掲載されているサイトがあったのでリンクを張っておきます。
ちなみですが、ライト館のあとに建設されたのが現在の本館で3代目になるわけですが、この本館も建替えが決定しており、2036年には4代目の本館が完成する予定となっています。
現在の本館は2030年まで運営されるようです。
今の本館はライト館の名残が少し感じられるようなところがありますが、4代目の本館はどんな空間になるんでしょうか。
この名残を残すのか、一新してしまうのか、楽しみなところです。
詳細はこちらを参照してください。
ライト館開業100周年記念イベント・展覧会
ここからはライト館開業100周年記念で実施されるイベントや展覧会について紹介します。
ライト館開業100周年記念企画「The Wright IMPERIAL; A Century and Beyond」
帝国ホテル東京のロビー内で行われている展示会です。
特別展-帝国ホテル・ライト館竣工100年記念-「東洋の宝石」
博物館明治村で行われている展示会。2023年12月17日までの開催となっています。
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こちらも博物館明治村で行われているイベント。こちらも2023年12月17日までの開催となっています。
フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築
こちらは豊田市美術館で行われている展覧会。2023年12月24日まで行われています。
この展覧会は豊田市での展示が終わったあと、東京と青森にも巡回するそうです。
(追記)
先日こちらの展覧会に行ってきたので記事にしてみました。
まとめ
以上、フランク・ロイド・ライトについての話と、ライト館開業100周年記念行事についてのお話しでした。
上記であげた以外でも帝国ホテルでは100周年記念の宿泊プランがあったり、記念グッズなんかもあるようです。
せっかくの機会なのでどこか行けそうなところに行ってみたいと思っています。
にしても、名建築と言われている建物は時代が変わっても色あせないというか、いつまでもカッコいいですね。