このブログでも記事にしましたが、2020年3月に建築士試験の制度が大きく変わりました。
その中でも大きな改正だったのは受験資格。
一定条件を満たした人は実務経験がなくても受験することができるようになりました。
この改正があったときに大学生でも一級建築士試験が受験できるのか、大学生で試験に合格したらどうなるんだろうっていう話を聞きました。
その時は詳しく調べることもしませんでしたが、今回はこの辺の話を改めて整理してみようと思って記事にしてみました。
今現在高校生の方や大学在学中の方のご参考になれば幸いです。
大学在学中に2級建築士になれるのか
大学在学中に2級建築士になることはやり方によっては可能です!
まずは2級建築士の受験資格を見てみます。
建築に関する学歴又は資格等 | 実務経験年数 (試験時) |
---|---|
大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者 | 最短0年 |
建築設備士 | 0年 |
その他都道府県知事が特に認める者(外国大学を卒業した者等) | 所定の年数以上 |
建築に関する学歴なし | 7年以上 |
続いて、免許登録時に必要になる実務経験について見てみます。
学校等 | 単位数 | 試験時に必要となる 実務経験年数 | 登録時に必要となる 実務経験年数 |
大学、短期大学、高等専門学校、職業能力開発総合大学校、 職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校 | 40 | 0年 | 0年 |
30 | 卒業後1年以上 | ||
20 | 卒業後2年以上 | ||
高等学校、中等教育学校 | 20 | 卒業後2年以上 | |
15 | 卒業後1年以上 | 卒業後3年以上 | |
専修学校(高等学校卒 修業2年以上) | 40 | 0年 | 0年 |
短期大学及び高等専門学校で所定の単位数を取得して卒業すると受験資格を得ることができます。
そして卒業後に4年制大学へ編入にすることで大学3年生の時点で2級建築士試験が受験できます。
短期大学及び高等専門学校で所定の40単位を取得している人は免許登録時に必要な実務経験が不要になるになるため、合格と同時に2級建築士になれます。
大学在学中に1級建築士になれるのか
大学在学中に1級建築士になることは不可能です!
まずは1級建築士の受験資格を見てみます。
建築に関する学歴又は資格等 |
---|
大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者 |
二級建築士 |
建築設備士 |
その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等) |
続いて、免許登録時に必要になる実務経験について見てみます。
学校等 | 単位数 | 試験時に必要となる 実務経験年数 | 登録時に必要となる 実務経験年数 |
大学、高等専門学校(「本科+専攻科」の卒業者に限る。)、 職業能 力開発総合大学校(総合課程、長期課程又は応用課程の卒業者に 限る。)、職業能力開発大学校(応用課程の卒業者に限る。) | 60 | 0年 | 卒業後2年以上 |
50 | 卒業後3年以上 | ||
40 | 卒業後4年以上 | ||
短期大学(修業3年以上) | 50 | 卒業後3年以上 | |
40 | 卒業後4年以上 | ||
短期大学(修業2年以上)、高等専門学校(本科のみの卒業 者)、職業能力開発総合大学校(専門課程のみの卒業者)、職業能 力開発大学校(専門課程のみの卒業者)、職業能力開発短期大学校 | 40 | 卒業後4年以上 |
短期大学や高等専門学校を卒業すると1級建築士試験の受験資格を得ることができます。
そして卒業後4年制大学に編入することで大学3年生の時点で1級建築士試験を受験することができます。
しかし、そこで試験に合格した場合でも、1級建築士を名乗ることができません。
免許登録するのに実務経験が必要になるからです。
ここが2級建築士とは違うところになります。
もう一度まとめると、一級建築士になることはできません。
しかし、短期大学や高等専門学校を卒業して4年制大学に編入した方であれば学生のうちに一級建築士試験に合格してしまうことは可能です。
1級建築士を目指すなら4年制大学編入が最短ルート
4年制大学に入学すると卒業まで受験資格を得ることができないので学生の間に試験を受けることはできませんが、短期大学や高等専門学校を卒業してから4年制大学に編入するルートを選べば、大学生という比較的時間が自由になりやすい期間に受験をすることができ、なおかつ、年齢的に最短で試験を受けることができます。
1級建築士試験に合格した状態で大学を卒業するわけですから、あとは実務経験さえ積めば自動的に1級建築士になることができる。
これは就職の際にもかなりのメリットを持つことになります。
企業側から見たら実務経験さえ積ませれば2年後に必ず資格者が手に入るわけですから、喉から手が出るほど欲しい人材なわけです。
また、受験する側から見ても、就職1年目で仕事をしながら受験勉強をするのと、学生のうちに受験勉強するのでは圧倒的に学生のうちにやっておいた方が楽だし、早く受けて早く合格することにメリット以外何もありません。
しかし、有名大学の編入試験はかなり難しいということを聞いたことがあります。
有名大学を卒業したいって思う人にとっては編入よりは通常の入学試験の方が入学しやすいかもしれないので、おすすめできるルートにはならないかもしれませんが、そこにこだわりがなく単純に一級建築士になりたいと思う人であればこのルートも十分検討の余地のあるルートじゃないでしょうか。
まとめ
以上、大学在学中に建築士資格が取れるかどうかについてまとめていました。
資格は早く取る分に越したことはありません。
資格試験合格は目的では手段ですので早く試験に合格して、早くスタートラインに着くことが大事です。