今年初めて一級建築士学科試験に合格して、製図試験に挑戦する権利を獲得しました。
僕って何をするにも形から入る人じゃないですか~
そんなわけで、まずは製図道具からと言うことで、いろいろなところから情報をむさぼり、じっくり調査。
「うまく描けないのは道具のせいだ!」って言い訳できないくらいにちゃんと道具を揃えていきました。
完璧に道具も揃えて、万全の体制を整えて製図試験の勉強を進めてみたわけですが、「おやっ?」と思ったことがあったので今日の記事ではその中の1つをシェアしていきます。
それが、製図試験ではおなじみとなっているバンコの三角定規を使う際のシャーペンについての話です。
- バンコの三角定規と製図用シャーペンの相性について
- ガイドパイプの長さが製図作業に与える影響について
- 建築士試験に適した製図用シャーペンの選び方
- バンコの三角定規以外の代替アイテムの特徴について
建築士の製図試験でバンコの三角定規を使う際に気をつけたい製図用のシャーペン
- バンコの三角定規について
- バンコの三角定規の厚みについて
- 製図用シャーペンのガイドパイプの長さによっては干渉してしまう
- バンコの三角定規を使うときはガイドパイプの長さが4mmのシャーペンを使おう
- 使いたい製図用シャーペンのガイドパイプが短い場合どうする?
バンコの三角定規について
これを読んでいる方にとってはもう説明は不要かも知れませんが、改めて説明させてください。
バンコの三角定規とは三角定規の機能とテンプレートの機能を併せ持つ優れた三角定規のことです。
製図の試験会場は個人に与えられているスペースにそれほど余裕がありません。
製図道具を置く場所も限られるので、なるべくなら道具は少なくしたいのです。
通常であれば三角定規とテンプレートを両方製図板の近くに置くことになりますが、バンコの三角定規であればそれがひとまとまりになっており、三角定規分のスペースだけあれば良いことになるので、道具の省スペース化が図れます。
また、三角定規とテンプレートをわざわざ持ち替える必要がないというのもメリットのひとつです。
三角定規を使って通り芯を描きました。
次に、三角定規をテンプレートに持ち替えて柱を描きました。
これをしなくていいんです。
製図板の上にある三角定規ひとつで通り芯の作図から柱の作図、さらにはその次の壁の作図とこの三角定規ひとつあればOKという優れた三角定規なのです。
そんな優れた三角定規ですので、建築士試験を受験する方にとっては必須のアイテムとなっております。
バンコの三角定規の厚みについて
バンコの三角定規は触ってみるとガチッとした感じします。
それはこの三角定規の厚さによるものだと思うのですが、厚みが3mmとなっています。
フローティングディスクを使う方も多いと思いますが、これを使うともう少し厚みが増すことになります。
この厚みのおかげで定規に歪みやそりが少なく、正確な線をひくことができるわけですが、その一方で厚いが故に起こる問題もあるんです。
製図用シャーペンのガイドパイプの長さによっては干渉してしまう
製図用シャーペンとは、ペン先部分にあるガイドバイプというパーツの長さが3mm以上のシャーペンのことをいいます。
製図用シャーペンについての詳細は、以前「製図用のシャーペンは普段使いしていいの?普通のシャーペンとの違いを調べてみた」という記事の中で触れたので、詳しくはこちらを読んでみてください。
製図用シャーペンのガイドパイプの長さとバンコの三角定規の厚みを比べてみると、ピッタリ同じ3mmなんです。
同じということはバンコの三角定規を使って線を書くときに下の写真のようになります。
自分のバンコはフローティングディスクを使っているので若干隙がありますが、もしフローティングディスクがなければ、シガイドパイプの根元にある付近にパーツと三角定規との距離が出ているシャーペンの芯の分だけ空いているだけで、接触するかしないかギリギリの状態になるんです。
例えば、太線を書く場合、紙にペン先を強く押し当てて線を引くと思いますが、製図用紙が厚めなこともありペン先が沈みます。
その時に三角定規と干渉してしまうことがあるんです。
三角定規に対して若干斜めにシャーペンを当てることで回避できますが、何本も線を書いていると三角定規に引っかかってしまって、線がかすれたり、定規とシャーペンがこすれる変な音がしたりすることが度々ありました。
芯をもっと出して使えば干渉しないだろうと思って芯をいつも以上に出して使ってもみたのですが、今度はすぐに芯が折れてしまうと言う新たな問題に直面することになり問題解決とはなりませんでした。
バンコの三角定規を使うときはガイドパイプの長さが4mmのシャーペンを使おう
この引っかかりを解決するための方法としては、もうガイドパイプが長いシャーペンを使うしかありません。
お店で探してみた結果、ガイドパイプが3mmのものと4mmのもの、中には4.5mmという商品もありました。
同じ製図用シャーペンでも、細かな違いがあって面白かったです。
ガイドパイプの長さ4mmのいくつかの商品を手に入れて実際に試してみたのですが、引っかかりがほぼなくなりました。
というわけで、バンコの三角定規を使うときは製図用シャーペンのガイドパイプの長さに注意してください。
もしかしたら、この現象は自分の線の引き方がおかしいから起きている現象なのかも知れませんが、バンコの三角定規を使うのであれば、4mmのものを使っておいた方が不快感なく使えるはずです。
自分と同じように何か引っかかるなと感じる方いたら、もしかすると使っているシャーペンのガイドパイプが短いのかも知れませんよ。
使いたい製図用シャーペンのガイドパイプが短い場合どうする?
製図試験では手になじんだ道具を使うのがストレスもなくて一番良いと考えます。
でも、その手になじんだシャーペンのガイドバイプが3mmだったとしたら、どうすればよいでしょうか。
その時はバンコの三角定規を諦めて、こちらの三角定規を使ってください。
これはTAKARA licence株式会社から発売されている三角定規です。
似てませんか??
図形の配置や三角定規のスケール部分に違いはあれど、三角定規とテンプレートの機能を併せ持つという意味では同じ商品です。
で、なぜこれを使うかと言えば、このTAKARA licenceの三角定規は厚みが2mmだからです。
この三角定規だとガイドパイプが3mmでも引っかからずに使えます。
ただ、ひとつ残念なのが、この三角定規ちょっと小さいんですよね。
だから、通り芯や外壁と言った長めの線を引くときに使いにくい。
これをサイズアップした三角定規も発売されてはいるのですが、サイズアップした方は厚みが3mmなのでバンコの三角定規と変わらなくなってしまいます。
ちなみにですが、TAKARA licenceの三角定規も作図スピードを上げることに関して工夫された定規となっています。
その工夫は以下の通りです。
- 三角と楕円は上下左右どの方向にも定規の向きを変えずに作図できる
- 四角は45度降った四角が定規の向きを変えずに作図できる
- 勾配が取れるメモリがついている
とても地味なのですが、この工夫がなにげに便利だったりします。
建築士の製図試験におけるバンコの三角定規と製図用のシャーペンの相性比較
- バンコの三角定規を安心して使えるシャーペン
- バンコの三角定規とは合わないシャーペン
- 作図には向かないけど使えるシャーペン
バンコの三角定規を安心して使えるシャーペン
ぺんてる SMASH 0.5mm
SMASHはどこの文房具屋さんでも置いているくらい有名なシャーペンです。
イボイボとしたゴムが見た目的にどうなんだろうと個人的には思うのですが、感触は結構好きでしっかりグリップしてくれます。
普通のシャーペンはペン先をくるくる回すと外れるものが多くて、描いているとたまに緩むことがあるのですが、これはペン先がイボイボのゴムのところまで一体化している形状になっているせいか、ペン先が緩むことがありません。
緩まないので安心して描くことができます。
重量も13gと比較的軽いので長い時間使っても疲れにくい仕様となっています。
ステッドラー 925-15 0.5mm
ステッドラー925-15は自分が持っているシャーペンの中で最も軽いシャーペンです。
その重さはなんと9.2g。
軸が少し細い気がしたのともう少し重心が下にあった方がいい気がしたので、ソフトグリップをつけて使っています。
ソフトグリップをつけても持った感じ上で紹介したSMASHより軽い感じがします。
とにかく軽いのが好きという方にはおすすめです。
OHTO PROMECHA 1000M 0.5mm
OHTO PROMECHA 1000Mは、ガイドパイプの長さが調節できるというちょっと珍しいシャーペンです。
ガイドパイプを完全に引っ込めることもできるし、最大まで出すとその長さは4.5mmとなります。
手持ちのシャーペンの中でもっともガイドパイプが長かったのがこのシャーペンです。
重さや重心の位置も個人的には好みなので愛用しています。
持つ部分がザラザラとした感触の金属になっているので滑りにくいのですが、長い時間使っていると中指がヒリヒリしてくるのが玉に瑕。
ちなみに、このシャーペンはすでに廃盤になっているらしいです。
バンコの三角定規とは合わないシャーペン
Tombow MONO graph 0.5mm
MONO graphは見た目がカッコいいし、質感も良くて個人的にはとても気に入っているシャーペンなのですが、ガイドパイプの長さが3mmなんです。
最初作図をスタートしたときにこのシャーペンを使って描いていたのですが、引っかかりが気になりすぎて泣く泣く使うのをやめました。
ただ、製図ではなくて普通の筆記に関しては書き心地もよいので使っています。
重さが21.9gと少し重めで重心がかなり下にあるせいか安定感のある書き味のシャーペンとなっています。
ぺんてる オレンズネロ 0.5mm
オレンズネロも見た目がカッコよく、軸部も高級感があってとても気に入っているシャーペンです。
このオレンズネロは芯が折れない機構を持っていることでも有名ですが、自動芯出し機構を搭載していて、わざわざノックしなくても芯が出続けるという特徴を持っています。
優れたシャーペンではあるのですが、これもガイドパイプの長さが3mmなんです。
オレンズネロはガイドパイプから芯を出さずに使うのが基本的な使い方なのですが、芯が出ていない分バンコの三角定規と干渉しやすくなってしまうんですよね。
重さも18gと軽すぎず重すぎずのちょうどいい感じなのですが、ガイドパイプだけが残念。
もしガイドパイプ4mmのオレンズネロがあれば間違いなく試験で使っていたんだけどな・・・。
作図には向かないけど使えるシャーペン
三菱鉛筆 クルトガ アドバンス 0.5mm
このシャーペンはそもそも製図用のシャーペンではありません。
ガイドパイプの長さも2mmだし、パイプに傾き(テーパー)がついてるので定規を当てて線を引いたときに安定した直線が描きにくいです。
よって、作図には使えないのですが、使用用途が「文字を書く」に変わった瞬間、最高のシャーペンになります。
一級建築士の製図試験では提出答案に設計図だけではなく、設計の要点を文章でまとめる「記述」が含まれていますが、この記述でこのシャーペンが活躍するんです。
ペンを持ち替えずとも芯が回転してくれるので文字の太さも一定に保つことができるし、軽いので長い時間使っても手が疲れにくい。
製図試験で使うシャーペンは1本だけにした方がいいと上記で紹介したブログ記事で書きましたが、それは作図での話。
記述ではこのシャーペン使って、作図では作図用のシャーペンを1本使って描くのが自分のスタイルになっています。
まとめ:建築士の製図試験で製図用のシャーペンを選ぶ際は三角定規との相性もチェックしよう!
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
- バンコの三角定規は三角定規とテンプレートを一体化した便利な製図道具
- 製図試験会場は個人に与えられるスペースが広くないので持ち込む道具を極力減らすことが必要
- バンコの三角定規の厚みは3mmである
- 厚みが原因で製図用シャーペンと干渉する可能性がある
- 製図用シャーペンのガイドパイプ長は4mm以上あると干渉しない
- SMASHは安定感がありバンコに適したシャーペン
- ステッドラー925-15は軽量でバンコの使用にも適している
- OHTO PROMECHA 1000Mはガイドパイプの長さを調節できる
- ガイドパイプが3mm以下のシャーペンはバンコと相性が悪い
- TAKARA licenceの三角定規はバンコの代替として使用可能
- 記述作業ではクルトガアドバンスが活躍する
- 道具選びは試験の効率と快適さに直結する