一級建築士学科試験に合格するには法規で高得点を取ることが必須条件となっています。
法規は構造と同じく配点30点と高いため、ここでしっかり点数を取らないと総得点で合格基準点に届かなくなってしまうからです。
そんなことはわかってるよ!
だけど、この科目って勉強しにくいんだよな・・・。
と、自分は思っているのですが、皆さんはどうでしょうか。
勉強しにくいけれど、勉強しないと合格を勝ち取ることはできない。
そこで今回の記事では、一級建築士試験に合格された方たちがブログ等で提供してくれている勉強法を調べて集めてまとめてみることにしました。
実際に合格した方がやった方法なので、この方法を真似して勉強すれば、少なくとも、自分よがりな方法で勉強するよりはよっぽど効果が出るはず!
法規の勉強で苦戦しているにぜひ読んでいただいて、参考にしてもらえたら幸いです。
- 法規の勉強する前に行う法令集とテキストの準備方法
- 過去問題を使った勉強の進め方
- 本試験で制限時間内に問題を解ききるためのコツ
一級建築士法規の勉強法を知る前に法令集の準備をしよう
勉強を始める前に法令集を準備する
法規の勉強を始める前に、最も重要なのは適切な法令集を準備することです。
法規科目は法令集をベースにして勉強を進めていくことになるので、法令集をしっかり準備することは避けて通れません。
しかし、法令集と言ってもどの法令集を選ぶべきか迷うかもしれません。
ここでは、法令集を選ぶ際のポイントを簡単にご紹介します。
法令集はなるべく最新のものを使う
まず、なるべくであれば、最新の法令集を選ぶことが大切です。
なるべくであればとつけたのは、法令の改正状況によっては前年の法令集でも通用してしまうから。
大きな法令改正がなければ前年のものを使用しても良いとは思いますが、基本的には最新版の法令集を使った方がセットアップは面倒ですが、気持ち的には安心です。
法令集は書店で実際に見て選ぼう
法令集は各社から発売されていますが、どの法令集も法令をまとめただけの冊子ですので、中身は基本同じもの。
違うのは縦書きか横書きか、文字組が1段か2段か、文字に使われている色、関連事項の記載くらいです。
これは本屋さんに行って中身を見て見やすいものを選択してみてください。
ちなみに、自分はTAC出版の法令集推しです。(TACの回し者ではありません)
TACの法令集の何が良いかはこの記事に書いたので読んでみてください。
法令集は必ずセットアップ(線引き)しよう
法令集は使いやすくするために、重要な法令にアンダーラインを引いたり、見たい法令にすぐにたどり着くようにインデックスを貼ったりして、セットアップを行います。
法令集のどこにアンダーラインを引いたら良いのか、法令集のどこにインデックスを貼ったら良いのかは、法令集を購入するとその指示書のようなものがもらえます。
基本的には法令集の中に挟んであるハガキを送付することで、手に入れることができます。
ちなみに、TAC出版の法令集はインデックスは法令集の中に挟み込まれているし、線を引く場所はTAC出版のサイト上に公開されているので、法令集を買ってすぐにセットアップの作業に入ることができます。
また、このセットアップの方法についても別記事でまとめてあるので気になる方は読んでみてください。
テキストの選び方
ここでついでにテキストのおはなしもしておきます。
法令集は必ず必要となりますが、テキストは必ず必要というわけではありません。
過去問題集に詳しい解説があれば、それで十分。
もし、どうしてもテキストが欲しいと言うことであれば、資格学校のテキストを手に入れることをおすすめします。
せっかくテキストを読むのであれば、試験範囲が網羅的にしっかり解説されているものを使った方が良いです。
資格学校に通って勉強している方はテキストがあるので良いですが、独学で勉強している人はどうしたらいいか。
一番手っ取り早いのがメルカリで手に入れることです。
メルカリで「一級建築士試験」を検索するとテキストや問題集が結構出てきます。
通常全科目セットにして売っていることが多いので、法規だけを手に入れるのは難しいかもしれませんが、ここでなるべく最新のものをゲットしてください。
ちなみに、自分もメルカリでテキストを手に入れました。
一級建築士法規勉強法
過去問題集の使い方
これは法規に限ったことではないですが、一級建築士学科試験において、一番重要なのが過去問題を使った学習です。
過去問題集もできる限り最新版を使うことをおすすめします。
古い過去問題集の場合、大きな法改正があったときなど、解答解説が新しい法令に準拠していない可能性があるからです。
また、特に独学の場合は、解答解説が詳しい問題集を使うことをおすすめします。
解答根拠を導くために、法令集のどこを見たら良いのかが示されていないと、勉強を進めるのにかなり時間がかかってしまいます。
書店で手に入る本の中ではこの本が解説が詳しくて良いと思います。
過去問題を最初に解くときは、問題を読んだ後すぐに解答を見て、法令集のどこを見たら良いのかを確認しながら、実際に法令集を開いてそこに書いてある法令をチェックしてください。
過去問1巡目はこの繰り返しとなります。
2巡目以降は、問題を読み、法令集から解答根拠を探す練習を行います。
解答根拠がどこにあるかわからないときは、解説を見て確認してから、法令集の該当箇所をチェックしてください。
最終的に、解答解説を見なくても、法令集から解答根拠が導けるようになればOKです。
時間足りない問題への対策
一級建築士の法規試験でよくある悩みの一つに、試験時間内に問題を解き終われないというものがあります。
これがかなり悩ましい問題なんですよね。
1時間45分で30問の問題を解かなければならないので、単純に計算すると1問に使える時間は約3分30秒。
1問ごとに選択肢が4つあるので、選択肢ベースにすると、1つの選択肢の正誤を約50秒で判断しなければならないことになります。
ちなみに、この時間の中に見直しの時間は含まれていません。
現実的に、全ての選択肢に対して法令集を使って正誤判断するのは厳しいことがこれでわかると思います。
では、どうしたら良いのかという話になるわけですが、ポイントは以下の2つ。
- まず選択肢に目を通して、明らかに切れる選択肢は切る
- 法令集をなるべく使わないで問題を解けるようにする
まず選択肢を見て、これは正解じゃない選択肢、これは怪しい選択肢といった具合に選択肢を選別してください。
ただ、これはまだ「怪しいぞ」というレベルの段階ですので、その判断が正しいかどうかはわかりません。
このように選択肢をふるいにかけて、一番怪しいと思う選択肢から法令集を使ってチェックしていきます。
2択くらいまで絞れるとあとが楽です。
1番怪しい選択肢を法令集でチェックして、正しければ2番目に怪しい問題をチェックする。
2番目も正しければ、最初の「怪しいぞ」という判断が間違っていたと言うことになるので、残りの選択肢を法令集でチェックしていきます。
過去問題を何度も解いていると自然と問題の選択肢が頭に残るようになります。
そうなってくると、法令集を見なくてもこれは怪しいという選択肢を選ぶことができる感覚が冴えてきますよ。
次に、法令集をなるべく使わずに問題を解けるようにすると言うことですが、法令集を使う時間が少ない方が時間的に余裕が出るのでなるべくなら使わずに問題を解きたいわけです。
詳細は下記に譲りますが、覚えられるところは覚えて少しだけでも法令集を使うところを減らすことができれば、時間を稼ぐことができます。
例えば、事務所は特定建築物じゃないとか、児童福祉施設等に含まれている施設とか、そういうものはいちいち法令集で調べずに覚えてしまった方が法令集をひく手間が減るじゃないですか。
そういう細かな時間を少しずつ削っていくことで、全問解ききる時間を作るしかないんです。
暗記できる項目は覚えてしまう
法規は法令集から解答根拠を探す試験みたいな感じなので、法令集を正しく使うことができれば、他の科目のように暗記に走る必要がない科目です。
しかし、上でも述べたように、法規は試験時間が極めて厳しい。
いちいち法令集を使っていては時間が足りません。
他の科目で覚えなければいけないことがたくさんあるのに、法規まで覚えるなんて無理だよ!
自分はこう思っていますが、比較的覚えやすいところだけ覚えて試験に挑んだ合格者が結構いたんです。
なので、これはできればやった方が良い方法ということでご紹介しておきます。
比較的覚えやすい項目として以下の項目が挙げられています。
- 計算問題(建ぺい率、容積率、高さを求める問題)
- 用語の定義
- 確認申請の問題
- 構造分野と重なる構造計算や構造強度の問題
- 内装制限の問題
このうち、計算問題が最も頭に入りやすいのではないかと思っています。
自分も計算問題だけは法令集を見てやることはしていません。
計算問題はほとんどパターン化した問題が出題されているので、過去問を何度も繰り返して解けば、そのパターンは手を使って覚えることができるし、その時に使う数値も自然と頭に入ります。
あと、構造の問題を解くのに覚えなければならない事項が法規の問題になって出てくることがあったりするので、このあたりも覚えるのは可能かと思います。
あとのものは勉強を進めながら覚えることができそうであれば覚えるくらいの感覚で進めるのがよさそうです。
これは参考までにご紹介しておきますが、語呂合わせを使って法規の知識を覚えることができる参考書があるので、余裕のある方はこちらをチェックしてみてください。
上記で述べたことは、できる人はやってみてほしいのですが、暗記は難しいよという人でも、法規で合格点を取るために最低でもこれだけは絶対に覚えておかなければいけないことがあるんです。
それは、法令集のどこに何が書いてあるのかを把握しておくこと。
簡単な例で申し訳ないですが、防火地域に関する問題が出題された場合、法令集のどこに見たらその問題が解けるのか事前に把握しておかないと、問題を解くことができません。
法令集の中に答えはあるので、把握せずとも探せば答えは見つかるかもしれませんが、これをやってしまうと全ての問題に解答する前に試験時間が終わってしまいます。
なるべく覚えることは減らしたいところですが、少なくとも法令集のどこに何が書いてあるかは頭に入れておかないと、試験に勝つことはできないということです。
アプリを活用したおすすめの学習方法
建築士試験の勉強がスマートフォンのアプリでも勉強できる便利な時代になりました。
アプリを使って勉強されている方も多いと思いますが、アプリを使うときって主に電車の中とか移動中であったり、昼休みとかスキマ時間だったりしませんか?
このような状況下で勉強するとき、法令集は使いづらい、あるいは、使いたくても使えない状況だと思います。
これを逆手に取り、上で述べた暗記して覚えたところがちゃんと頭に入っているかのチェックをするために、アプリを使ってみることをおすすめしたいです。
法規の勉強は法令集がないと勉強できないというのが定説みたいになっていますが、法規以外の科目と同様、覚えてしまう項目を作ってしまえば、法令集がなくても勉強することができます。
また、各項目の学習内容を記憶できなくても、問題を見たときに法令集のどこを見たらいいかが頭の中で瞬時に出てくるように練習するのにもアプリは使えます。
上で述べたように法規の出題項目を全て覚えるのは無理な話ですが、試験中に法令集を見る時間が節約できるし、法令集がなくて勉強することができるし、暗記できるところは覚えてしまった方が良いことが多いです。
模試を活用する
模擬試験(模試)を活用することは、一級建築士法規の勉強においては必須です。
模試を利用するメリットは以下の2つ。
- 現時点で理解できている問題、理解できていない問題がわかる
- 実際の試験でどのように時間を使って解き進めていくかシミュレートできる
特に法規について重要になるのが、問題をどのように解き進めるかの時間配分です。
他の科目に関しては試験時間にかなりゆとりがあるので、模試の活用は問題が理解できているかどうかのチェックだけで良いですが、法規に関しては試験時間に余裕がないため、模試を使って制限時間以内に問題を解ききる練習をしておかなければなりません。
実際に試験を受験された方はよくご承知だと思いますが、ホントに時間がタイトすぎますよね。
この試験時間をどう使って解ききるか、これを本番の試験に近い状態で練習できるのは模試しかありません。
問題が理解できているかどうかをチェックすることと、問題を解ききる時間配分を体感すること、これが法規に関して模擬試験でやらなければいけない事項となります。
まとめ:一級建築士法規は合格者の勉強法を真似して勉強しよう!
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
- 法規勉強前に最新の法令集を準備することが重要
- 法令集は見やすさを重視して実際に書店で確認して選ぶ
- 法令集はセットアップ(線引きやインデックスの貼り付け)は必須
- テキストは過去問題集の解説が詳しいものがあればなくてもいい
- テキストが欲しければメルカリ等で資格学校が出しているテキストを入手しよう
- 過去問題集は最新版を使用し、解説が詳しいものを選ぶ
- 過去問の1巡目は解答を見ながら法令集を確認し、理解を深める
- 法令集を最小限に使って問題を解けるよう、覚えられる項目は暗記する
- アプリを使ってスキマ時間に学習し、法令集なしでも勉強できる部分をチェック
- 模試を利用して実際の試験と同じ時間制限で解く練習を行う
- 法令集のどこに何が書いてあるかを頭に入れ、試験中に迅速に情報を探せるようにする
ここまで一級建築士法規の勉強法についてまとめてきましたが、最終的に重要なのは、実際に合格を果たした人たちの勉強法から学び、それをそのまま実行することです。
合格者が結果を出してきた方法ですので、正しい方法であることは間違いありません。
実践するのはなかなか難しいことですが、正しい方法で継続していれば、必ず合格というゴールが見えてくるはず。
がんばって勉強進めていきましょう!
この記事を作成するのに下記のサイトを参照させていただきました。
下記のサイトにはここで紹介しなかった情報もあるのでこの記事と合わせてチェックしてください。
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