1級建築士の勉強はいつから始めたら良いか考えてみた

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1級建築士の勉強はいつから始めたら良いか考えてみた

1級建築士学科試験の合格を目指すには、適切な勉強スケジュールの策定が欠かせません。

この記事では1級建築士試験に臨むにあたり、どのような勉強方法を採用すべきか、どれくらいの勉強時間を確保する必要があるのか、学習計画はどのように立てるべきかなど、多角的な視点からまとめてみました。

具体的には、試験勉強期間中にやっておくべきこと、いつから勉強をスタートさせるか、また、スタート時期ごとにどのように勉強を進めていったら良いのかをまとめています。

独学で試験に挑む方にとっても、資格学校を利用する方にとっても参考にしてもらえるような内容にしたつもりです。

これから勉強を始めようと考えている方のお役に立てれば幸いです。

この記事でわかること
  • 1級建築士の勉強期間にやらなければいけないこと
  • 1級建築士の勉強をいつから始めるか そのタイミングとスケジュール
  • 1級建築士試験は短期間の勉強で合格できるのか
目次

1級建築士の勉強期間にやらなければいけないこと

1級建築士の勉強期間にやらなければいけないこと
  • 勉強に使う教材の準備
  • 過去問題を解く・理解する
  • 法令集への線引き・書き込み

勉強に使う教材の準備

資格学校に通って勉強される方

資格学校に通って勉強される方は学校で用意される教材を使用することになるので教材についてやることはとくにありません。

資格学校で作成された教材は最強だと思うので学校から配布されたテキストと問題集を徹底的に使いこなせば合格するための知識は十分に身につきます。

独学で勉強される方

これは言うまでもありませんが、試験勉強は適切な教材選びから始まります。教材を選ぶ際の最大のポイントは、最新の情報と試験の傾向を反映した内容かどうかです。特に重要なのが、法令の最新の改正事項が反映されているかどうかです。試験には毎年法改正が反映されるため、古い教材では出題される内容の変更に対応できない可能性が高くなります。

さらに、教材はただ最新であるだけでなく、理解しやすく、学習者の理解度を深めることができる構成であることも重要です。具体的には、テキストの中に例題や図解が豊富に含まれているか、また、解説が詳しく書かれているかなどがポイントです。特に構造・環境設備は理解に苦しむ部分も多いので、これらの科目に関して解説が詳しい教材が個人的にはおすすめです。

適切な教材を選ぶためには、受験者のレビューや推薦、評価を参考にすることも一つの方法です。また、資格学校やオンライン講座が推奨する教材も、信頼性が高く、効率的な学習をサポートする可能性があります。最終的には、自分自身の学習スタイルに合った教材を選んでみてください。

参考までに自分が使って良かった教材を別記事にまとめてあるので参考にしてみてください。

過去問題を解く・理解する

一級建築士学科試験に合格するには過去問題を解いて内容を理解することが王道の勉強方法です。

過去問を解くことにより、試験の具体的な形式や出題される問題のタイプ、さらには試験作成者の出題意図やポイントを深く理解することができます。特に、一級建築士試験では、計画、環境設備、法規、構造、施工など、多岐にわたる分野からの出題があるため、それぞれの分野における出題の特徴を掴むことが重要です。

解説の読解を通じて、正解に至るロジックや思考プロセスを学ぶことは、単に答えを覚えること以上の価値があります。具体的には、なぜその選択肢が正解なのか、どの法令や規定が関連しているのか、計算問題の場合はどのような計算手順で解くのが適切なのか、といった点を深く理解することが求められます。これにより、試験当日に遭遇する未知の問題にも柔軟に対応できるようになります。

また、過去問を解く際には、時間を計測することで実際の試験のタイムマネジメントを体験することも有効です。試験では限られた時間内に多くの問題を解く必要がありますから、時間配分の練習を積むことで、試験当日のパフォーマンス向上につながります。このように、過去問を解くことは、知識の定着はもちろん、試験戦略を磨く上でも極めて有効な手段となるのです。

法令集への線引き・書き込み

一級建築士試験の学習において、法令集への線引きや書き込みは極めて面倒な作業ではあるのですが、やらなければいけない作業です。法令集は、建築士試験で会場内に持ち込み、試験中使用することが可能です。効果的な線引きと書き込みを行うことで、解答に必要な重要な法令、規定、基準などの条文を探しやすくするために、線引きや書き込みが必要となります。

具体的な方法として、資格学校に通って勉強される方は学校側で法令集と線引き見本、そのやり方を用意してくれるはずですので、そちらを見ながら線引き作業を進めてください。

独学で勉強される方については、本屋さんに行っていくつか発売されている法令集をパラパラ見ながら自分が使いやすそうな法令集を選んでみてください。

本のサイズや段組など違いがあるので、実際に見て選んだ方が良いです。

ちなみに、自分はTAC出版の法令集を使っています。TAC出版の法令集についてとその法令集を使った線引きや書き込みの方法について、別記事にまとめてあるので参考までに読んでみてください。

ここでひとつ注意。

自分の言葉でのメモや要約を行うことは、法令の理解をより深める上で有効なので、やった方が良いと思いますが、そのメモを法令集に直接書かないでください。

法令集への書き込み内容については制限が設けられています。

書き込みの制限については試験元のホームページを参照してください。

試験が始まる前に法令集の中身をチェックされるのですが、その時に制限を超えた書き込みが見つかるとその場で消すことを要求されます。鉛筆書きなどで消せる場合は良いですが、消せない場合は塗りつぶすとかいろいろ面倒な話になってしまい、最悪その法令集は使用禁止になりかねません。

もし法令集へメモを残すのであれば付箋にメモを書いて、それを該当箇所に貼るようにしてください。

試験前にその付箋を忘れずに剥がしてくださいね。

1級建築士の勉強をいつから始めるか そのタイミングとスケジュール

1級建築士の勉強をいつから始めるか そのタイミングとスケジュール

1級建築士の試験勉強をいつから始めるべきかは、受験者の状況によって異なります。ここでは、具体的な開始時期とそれに基づくスケジュールを提案します。

  • 1級建築士受験前年の8月からスタート(勉強期間約12ヶ月)
  • 1級建築士受験前年の11月からスタート(勉強期間約9ヶ月)
  • 1級建築士受験当年の1月からスタート(勉強期間約7ヶ月)
  • 1級建築士受験当年の4月からスタート(勉強期間約4ヶ月)

1級建築士受験前年の8月からスタート(勉強期間約12ヶ月)

前年の8月というのは学科試験が終わった直後で、自己採点で合否が判明したばかりの時期ですね。

試験に不合格になった場合、その傷が癒えないうち次回の試験に向けた勉強を始めることになるので、精神的にはなかなかきついものがあるのですが、この12ヶ月という長期間の勉強期間を設けることには大きなメリットがあります。

この試験は、今は学生でも受験できるようになりましたが、基本的には仕事をしながら受験勉強をする人が大多数だと思います。仕事をしながらだと1日の大半は仕事に取られてしまうため、勉強に使える時間を取ることが難しくないですか?

学科試験に合格するためには初学者の場合800~1,000時間必要と言われています。なるべく早めに勉強を開始して勉強できる日数を増やすことで、1日に勉強に使う時間が少なくてもこの800~1000時間に到達しやすくなるのです。

この時期から始めると時間にかなりゆとりがあるので頓挫しにくい勉強計画を立てることができるのもメリットのひとつだと考えています。

8月からスタートした場合の教材と勉強スケジュール例

この時期から勉強を始めたときざっくりですが以下のようなスケジュールが考えられます。

8月:教材を選ぶ。7月の学科試験を受けた人は復習。
9月~12月:構造力学・構造文章題・法規を先行して勉強する。法令集のセットアップ。
1月~4月:構造力学・構造文章題・法規の復習をしながら、残りの科目を一周する。
5月~7月:苦手分野の復習。模擬試験受験。模擬試験の復習。

配点が高く、なおかつ、理解するのに時間がかかる分野から手をつけることをおすすめします。配点が高い科目はある程度高得点を狙っていかないと総得点で合格基準点を超えるのが難しくなってしまいます。配点の高い構造や法規を得点源にするためにかなり時間がかかるので、なるべく早めに手をつけた方が良いです。

独学で勉強する方向けに使用する教材例も挙げてみました。

・過去問題20年分
・テキスト
・法令集
・その他市販の参考書

この時期であれば過去問題を20年分を解くだけの時間が十分あります。最近の試験でかなり昔の過去問題がリニューアルしたかたちで出題された事例もあったので、なるべく多くの過去問題を見ておくのは有利かと思われます。

1級建築士受験前年の11月からスタート(勉強期間約9ヶ月)

受験前年の11月は資格学校で初学者向けの授業がスタートする時期になります。

学校に通って勉強される方はこの時期から勉強を始められる方が多いかもしれません。また、他の建築士関連ブログでは、勉強を始める時期としてもっとも適切なタイミングをこの11月としている記事が多いです。

上記で1級建築士の学科試験に合格するために必要な時間の目安を800~1,000時間必要と書きました。

合格に必要な時間を800時間、1日3時間勉強できると考えると、800時間を達成するには約270日になります。おそらくですが、このあたりの時間設定が現実的だという理由で、11月から勉強を始めるのが適切だと言われているんじゃないかと、個人的には思っています。

8月から勉強を始める場合に比べると、1日のうちで勉強に使う時間が多くはなりますが、11月から勉強を開始しても時間的にはまだ余裕があります。

11月からスタートした場合の教材と勉強スケジュール例

この時期から勉強を始めたときざっくりですが以下のようなスケジュールが考えられます。

11月:教材を選ぶ。7月の学科試験を受けた人は復習。
11月~1月:構造力学・構造文章題・法規を先行して勉強する。法令集のセットアップ。
2月~5月:構造力学・構造文章題・法規の復習をしながら、残りの科目を一周する。
5月~7月:苦手分野の復習。模擬試験受験。模擬試験の復習。

8月から始める場合と内容は変わりませんが、勉強にかけられる期間が短くなります。その分一日の勉強時間を増やさなければなりません。

独学で勉強する方向けに使用する教材例も挙げてみました。

・過去問題20年分
・テキスト
・法令集
・その他市販の参考書

こちらも8月から始めたときと変わりません。この時期でもまだ過去問題を20年分を解くだけの時間が十分あります。問題を解き終えたら、その周辺知識を拾うためにテキストを一読するのも良いかと思います。

1級建築士受験当年の1月からスタート(勉強期間約7ヶ月)

受験当年の1月は資格学校の本科コースがスタートする時期になります。

年が明けて心機一転、この時期から勉強をスタートされる方も多いと思います。

前述した8月、11月からのスタートと比べるとたいぶ時間がタイトになりますがこの時期から勉強を始めてもまだ十分間に合います。

合格までに必要な時間を800時間と仮定すると、1日4時間勉強するペース。

週末のお休みの日に勉強時間を延ばすことで1日4時間は現実的に到達できるレベルです。

1月からスタートした場合の教材と勉強スケジュール例

この時期から勉強を始めたときざっくりですが以下のようなスケジュールが考えられます。

1月:教材を選ぶ。法令集のセットアップ。
1月~3月:構造力学・構造文章題・法規を先行して勉強する。
4月~5月:構造力学・構造文章題・法規の復習をしながら、残りの科目を一周する。
6月~7月:苦手分野の復習。模擬試験受験。模擬試験の復習。

8月及び11月から始める場合と内容は変わりませんが、勉強にかけられる期間がさらに短くなります。その分一日の勉強時間を増やさなければなりません。

独学で勉強する方向けに使用する教材例も挙げてみました。

・過去問題20年分
・テキスト
・法令集
・その他市販の参考書

こちらも8月及び11月から始めたときと変わりません。この時期でもまだ過去問題を20年分を解くだけの時間が十分あります。もし、計画がずれて遅れてしまった場合は、過去問題を20年分から15年分に減らすなどの対応が必要になるかもしれません。

過去問題は20年分をざっくりやっているより10年分をしっかり理解している方が試験には有利です。

1級建築士受験当年の4月からスタート(勉強期間約4ヶ月)

受験当年の4月は資格学校だと受験経験者向けの講座が開講される時期かと思います。

このあたりからスタートとなると時間的にかなりタイトになってきます。

合格に必要な時間を800時間とすると、1日6~7時間のペース。

仕事をしながら勉強すること考えると、休日で勉強時間を増やしたとしてもなかなか到達するのが難しいのではないかと思われます。

4月からスタートした場合の教材と勉強スケジュール例

この時期から勉強を始めたときざっくりですが以下のようなスケジュールが考えられます。

4月:教材を選ぶ。法令集のセットアップ。
4月~6月:構造・法規・計画・環境設備・施工を2~3回まわす。
6月~7月:苦手分野の復習。模擬試験受験。模擬試験の復習。

独学で勉強する方向けに使用する教材例も挙げてみました。

・過去問題10年分
・法令集

使える時間が少ないので過去問題20年分をしっかりやりきるのは難しいと思われるので無理に20年分をやるのではなく、10年分を理解まで含めてしっかりやりきることを目指した方が良いです。

資格学校で配られている問題集は過去10年分の問題が掲載されているそうです。

学校に通って勉強して合格した方たちは過去10年分の問題で合格に必要な実力を身につけているということになるので、理解がともなえば過去10年分でも合格は可能なはずです。

1級建築士試験は短期間の勉強で合格できるのか

1級建築士試験は短期間の勉強で合格できるのか

1級建築士試験の合格には通常、長期間の勉強が必要ですが、短期間での合格も不可能ではありません。ただし、短期間での合格を目指す場合、非常に高い集中力と効率的な学習法が求められます。

  • 勉強期間2ヶ月で1級建築士の学科試験に合格した人もいる
  • できないことはないがかなり大変

勉強期間2ヶ月で1級建築士の学科試験に合格した人もいる

1級建築士の学科試験において、たった2ヶ月の勉強期間で合格を果たした例も確かに存在します。

しかし、1級建築士試験はそんなに簡単な試験ではありません。このような短期間での合格はレアケースと考えるべきで、多くの受験生にとっては達成が困難な目標です。

通常、1級建築士試験の学科部分は、膨大な範囲の知識と理解が必要とされ、これを短期間でカバーすることはなかなか難しいことです。

したがって、このような例外的な事例は、一般的な受験生が期待すべき標準的な経路とは言えません。

できないことはないがかなり大変

実際2ヶ月で合格している人がいるわけですので、やってできないことはないはずですが、やるとなったら相当な覚悟が必要なのではないでしょうか。

大学浪人生のごとく、1日の大半を勉強に使える生活をこの2ヶ月の間送ることができるのであれば、現実味を帯びてはきますが、そうでなければ非常に難しいはず。

また、初学者ではなく過去に試験を受けた経験がある方であれば、合格に必要な勉強時間数が減らせるかもしれないので、そういう方であればまだ可能性はあるかもしれませんが、それでも難しいと思われます。

さらに、短期間での学習においては、ストレス管理や休息の確保も重要な要素となります。

無理なスケジュールは、学習の効率を低下させ、試験のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

まとめ:1級建築士の勉強はいつから始めたら良いか→早いほど良い

1級建築士試験の勉強をいつから始めるべきかに関しては、「早ければ早いほど良い」というのが結論です。

ただし、個々の状況や学習スタイルに合わせてスタート時期を選ぶことが重要です。早く始めることで、基礎から応用まで幅広い知識をじっくりと身に付けることができます。また、十分な時間を確保することで、学習内容を深く理解し、試験に対する自信をつけることが可能となります。

一方で、短期間での勉強も可能ですが、効率的な学習と高い集中力が必要です。短期間で合格を目指す場合は、より計画的な学習スケジュールと効率的な学習方法を選ぶことが肝心です。どのタイミングで勉強を始めるにしても、一級建築士試験は専門的な知識とスキルが求められるため、しっかりとした準備と継続的な努力が不可欠です。

最終的には、自分自身のライフスタイルや仕事の状況、学習能力を考慮し、最適な勉強スタート時期を見極めることが、合格への近道と言えるでしょう。

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